2000 Fiscal Year Annual Research Report
メチオニン起源の胃がん誘発含硫化合物の耐塩性酵母による削減
Project/Area Number |
11680151
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Research Institution | Niigata Women's College |
Principal Investigator |
石原 和夫 県立新潟女子短期大学, 生活科学科, 教授 (00077489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 武夫 新潟大学, 農学部, 教授 (00018540)
鈴木 裕行 県立新潟女子短期大学, 生活科学科, 助教授 (10235997)
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Keywords | メチオニン / 発がん物質 / 含硫化合物 / 耐塩性酵母 / Zygosaccharomyces rouxii |
Research Abstract |
1.耐塩性酵母抽出液の抗変異原作用の有無に関する実験 耐塩性酵母による含硫変異原性物質に対する抗変異原作用の有無を解析するため、以下の実験を行った。現在、新潟県の味噌業界で味噌の発酵熟成に使用されている耐塩性酵母Zygosaccharomyces rouxii S96株(以下Z.rouxii S96)をYPD培地で24時間培養した後、遠心分離して集菌し、得られた菌体の細胞壁をグラスビーズにより破砕して耐塩性酵母抽出液を得た。その抽出液を日本の水産加工品である塩漬けサンマ開きで検出された、胃がん誘発含硫化合物の2-chloro-4-methylthiobutanoic acid(CMBA)と37℃、1時間インキュベートした。その後、Salmonella typhimurium TA100株(以下TA100)の培養液と混合して最少グルコース寒天培地上で培養し、TA100に対するCMBAの変異原性の変化を解析した。その結果、Z.rouxii S96抽出物は試みた添加量の範囲内ではTA100のrevertant colony数を変化させず、Z.rouxii S96抽出液による含硫変異原性物質に対する抗変異原作用は認められなかった。 2.モデル培地の加熱に伴う2-chloro-4-methylthiobutanoic acid(CMBA)生成の確認 胃がん誘発含硫化合物CMBAは、Methionine、Sodium nitriteおよび食塩の存在下で生成されると報告されている。そこで、Glucose 2%、Methionine 0.04%(N量として)、Sodium nitrite 0.016%(N量として)、Mineral6種、Vitamin8種、食塩12.5%、pH4.5からなるモデル培地を120℃、10分間加熱し、生成される揮発性含硫化合物のGC分析を行った。その結果、揮発性含硫化合物として、Dimethyl disulfide、Dimethyl trisulfide、Methional等が同定されたものの、CMBAは検出されなかった。
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