1999 Fiscal Year Annual Research Report
ダチョウ肉の鮮度と肉色に及ぼす貯蔵環境の影響およびその調理性について
Project/Area Number |
11680152
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Research Institution | Iida Women's Junior College |
Principal Investigator |
千 裕美 飯田女子短期大学, 家政学科, 講師 (40281563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
唐澤 豊 信州大学, 農学部・食料生産科学科, 教授 (30060528)
遠藤 金次 関西女子短期大学, 保健科, 教授 (20031643)
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Keywords | ostrich / muscle / meat / nucleotides / taste / ATP / freshness / storage |
Research Abstract |
肉の鮮度および味に影響を及ぼすATP関連化合物濃度が,新鮮ダチョウ肉を冷蔵(3-4℃)貯蔵した際,どのように変化するのかを明らかにするために,ダチョウ腿肉(M.iliotibialis lateralis)の4% PCA抽出液をHPLCを用いて測定した.ATPとAMPは,貯蔵4時間後の濃度が共に約0.1μmol/g肉であったが,前者は貯蔵2日目に消失し,後者は貯蔵期間中減少傾向にあった.ADP濃度は,貯蔵期間を通して約0.3μmo1/g肉であった.IMP濃度については,貯蔵初期の4日間は約3.3μmo1/g肉であったが,その後急速に減少し16日目には1.3μmo1/g肉となった.イノシン濃度は,死後24時間は増加傾向にあり,その後10日目まで1.6μmol/g肉の値が変化せず,さらに16日目には0.9μmol/g肉にまで減少した.一方,ヒポキサンチンおよびキサンチン濃度は,貯蔵中徐々に増加し,16日目にはそれぞれ約0.6および約0.9μmol/g肉となった. さらに,同条件において,生菌数と大腸菌群数の変化についても調べた.肉中の生菌数は,新鮮肉中では2×10^2cfu/g肉で,貯蔵中に増加して10日目に最高値の5×10^7cfu/g肉に達した.大腸菌群は,貯蔵初期の4日間検出されなかったが,その後指数関数的に増加し貯蔵13日目には5×10^6cfu/g肉となった. 肉中のATP関連化合物の定量結果および微生物検査結果より,ダチョウ腿肉を3-4℃で冷蔵保存する場合,生食可能期間は4日間で,可食期間は少なくとも8日間であると推定された.
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