1999 Fiscal Year Annual Research Report
すりゴマ/水分散系の流動特性とテクスチャーに及ぼす擂り条件と水量の影響
Project/Area Number |
11680158
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Research Institution | St. Catherine University Junior College |
Principal Investigator |
武田 珠美 聖カタリナ女子短期大学, 食物栄養学科, 助教授 (80149781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 靖子 静岡大学, 教育学部, 教授 (40141444)
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Keywords | sesame seed ゴマ種子 / 擂子 / すりゴマ / テクスチャー / 流動特性 / 分散系 |
Research Abstract |
焙煎ゴマ種子を試料とし、日本における伝統的な調理法といえる、擂ることによる経時的変化を調べた。電動摩砕機により40回転/分で5〜50分間擂ったゴマを試料にした官能検査の結果、風味および嗜好性には差がなく、テクスチャーに違いを認めた。そこで、すりゴマの物性の数値化を試み、擂り条件による変化を検討した。本試料については、コーンプレート型粘度計(東機産業)を用いて流動特性を、テクスチュロメータ(全研)により硬さ、凝集性および付着性を測定することが可能であり、官能特性との相関を認めた。 次いですりゴマの物性を基に、すりゴマ/水分散系の物性を測定した。粘度計による流動特性の測定が可能であった、擂り時間15分以上のすりゴマに対し、50%あるいは100%加水した試料を調製した。しかし、50%加水した試料は、すりゴマ試料よりも硬かった。そのためか、粘度計による測定が困難であった。一方、100%の加水試料では硬さが極めて小さく、15分間擂った試料の粘度が最も高かったが、20分間以上擂った試料では擂り時間が長くなるほど、粘度が高くなった。付着性を硬さで除して求めた付着度は、擂り時間が長くなると、いずれの試料でも増加した。50%、0%、100%の順に付着度が高かった。降伏値には顕著な差がみられなかった。すりゴマ/水分散系におけるこれらの変化には遊離した油と水の乳化状態が大きく影響していることが推察された。脱脂すりゴマ試料を、ふるい分け法で分画した均一粒度画分に、抽出油を混合したモデル系において、リグナン配糖体等の界面活性成分は、系を軟化させ、また糖が硬化させる傾向を示し、乳化状態への成分の関与を示唆する結果を得た。
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