Research Abstract |
北海道・東京・兵庫・鹿児島の女子短大生1.111名を対象に,鹿児島と他3地域,東京と他3地域,食物栄養専攻と文系・芸術系の学科専攻別,孤食抵抗意識の有無別,学校で人間教育を受けているとする認識の有無別に群分類し,人間的価値観,食意識,食品摂取状況,食行動,食の簡便化意識,ダイエット状況,生活行動,性格,疲労の9区分で判別状況をみた。結果,鹿児島と他3地域間の人間的価値観と疲労が70%以上の判別力を示すに止まった。(第48回日本栄養改善学会)。同様に男女高校生1320名を対象に判別状況をみた結果では,ダイエット状況84.8%,食意識72.4%,性格70.3%,食行動70.0%の寄与率を示し,ダイエット関連の上位レンジ項目は「やせたい身体部位」「ダイエットの理由,情報源,方法」で,食意識は「偏食矯正の動機理由」「希望共食者」などだった(第66回日本民族衛生学会)。佐々木は,食が人間の個別性と共同体性が現実に交差する場であることから,孤食に対する抵抗感は共同体の意識へと還元され,人間教育はその意識に深く係わっているという観点にたち孤食抵抗意識が他の設問とどのような関連を有するかを,年代および高校別に概観し,孤食抵抗に対する人間教育の可能性を探った。(「食と人間教育-トマス・アクィナスの人間理解を手がかりにして-」人間学紀要31)さらに岩下は,高校生には自己顕示性および過敏性の性格傾向があり,開放的で目立ちたがり,高い目標を設定し人任せにせず自分でやろうという意思をもつ反面,自信が無く,優柔不断で自己決定できず行動につながらないアンバランスさがある。また,周囲の評価,自分の体調を気にする過敏性があり,自分が傷つくことには敏感だが周囲への配慮に欠けるという面がみられると報告している。 (平成13年度本学紀要) 今後,心の分野が食意識や食行動,生活行動などとどのように関連しているかを検討する。
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