Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宿久 洋 鹿児島大学, 理学部, 助手 (50244223)
佐々木 亘 鹿児島純心女子短期大学, 生活学科, 助教授 (40211940)
岩下 美代子 鹿児島純心女子短期大学, 生活学科, 教授 (20232671)
末永 勝征 鹿児島純心女子短期大学, 生活学科, 講師 (40343735)
竹内 光悦 立教大学, 社会学部, 助手 (60339596)
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Research Abstract |
受験や就職,試験期間などのストレス感作除外を考慮した上で,平成12年11月,鹿児島市に在る進学校(進学率100%)2校の高校2年生男子315名と女子301名,卒業後に就職者が多い混合校(進学率17%前後)3校の2年生男子310名と女子394名を対象に集合法による自記入方式でアンケート調査を実施した。そして「現在の不満・悩みの原因」および「現在の目標」を,精神的項目と社会的項目に2分類し,性と学校を層別に食・生活・疲労・性格との関連性を検討した。その結果,友人や家族,異性との人間関係,生き甲斐のなさを「不満・悩み」とする精神的要因群は人間的価値観,食意識,食品摂取状況,食の簡便化意識,食行動,ダイエット意識,生活行動ともに望ましくない意識・行動を構築しており,自覚疲労度の高さへと関連していた。また,こうした傾向は女子に顕著であった。さらに,クレッチマーの性格テストを用いた性格面においては男・女および進学校・混合校ともに過敏性性格との関連性が最も高く,同時に自己顕示性性格も併せ持っている様子が伺えた。女子は男子に比較し「気になったことが頭から離れず苦しむ」傾向が高く,一方,「身体の具合に敏感で,健康状態が気になる」傾向は男子と混合校の精神的要因群においては稀薄であった。 人間形成,人に迷惑をかけないこと,平和で楽しく生きることなどを「現在の目標」とする者は,若干望ましい食や生活の意識・行動を示していたが,ダイエット状況および疲労度の高さとの関連性は認められなかった。また,性格面においては,能動性性格が認められた。 精神的不満・悩みはマイナス志向の性格傾向と,人間的成長などの精神的目標はプラス志向の前向きな性格と関連し,食のあり方や健康に影響を及ぼしていた。こうしたことから,望ましい食のあり方を構築し健康を実現するには,学校が家庭や社会と連携し,総合科目として,生きた「人間学」を学ばせることが必須であると考える。
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