1999 Fiscal Year Annual Research Report
概念知識に基づく母語からの理工系専門日本語習得方法に関する研究
Project/Area Number |
11680179
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
仁科 喜久子 東京工業大学, 留学生センター, 教授 (40198479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 学 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (60214079)
赤堀 侃司 東京工業大学, 社会理工学研究科, 教授 (80143626)
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Keywords | 概念シラバス / 理工系日本語学習者 / 電子化辞書 / 形態素解析 / 構文解析 / 多言語辞書 / 意味絞り込み / 格情報 |
Research Abstract |
本研究はアジア諸国からの理工系留学生のための日本語学習支援をし、多言語による学習システム構築を最終目的としている。本年度は学習者の母語での既得専門語概念知識を利用し、未知の表現形式としての日本語との対応関係を解明し、専門文献読解支援および文書作成支援のための辞書構築を行ってきた。第二言語学習理論・情報工学・教育工学の専門的な見地から中間言語理論および概念シラバス教育法への新しい知見を導入する学際的な研究を進め、理系特有の高頻度語に注目した。大学院レベルの日本語学習者は「専門の既知概念を新しい言語形式である日本語に対応させるプロセスを脳内で行っている。」という認知的仮説が考えられるが、この検証のために構文・意味の両面から分析し、概念と言語形式の関係を明らかにし、新たな言語学習理論への緒口を探った。学習者の母語で文章が理解できるようにするためのシステム構築の基礎研究として、以下のことを行った形態素解析およびその結果から、対訳辞書へリンクさせる。ここで現存する日本語対多言語電子化辞書リソースを調査した結果、英語対タイ語、対インドネシア語、対マレー語の訳語を持つCICC辞典と和英辞典を利用し、日本語→英語→各学習者の母語というリンクを辿るしかないことが明らかになった。しかし日本語、英語、母語への3度のリンクで起こる複雑な多義性を解消する必要が起こってきた。そのための作業を行うことに多くの時間を割くことになった。この意味絞込みの過程が本研究の目的の核心でもある。意味絞込みの手段としては構文解析が有効な手段である。構文解析による格情報は特に述語の意味の絞込みには有効である。目下は京都大学で開発されたJUMANによって形態素解析を行い、さらにKNPによって構文解析をおこない、その解析結果の問題点を検討している。来年度以後の課題として構文解析結果にそれぞれの句にタグをつけることが残された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 仁科喜久子: "多言語対応日本語読解学習支援システムの構想について"専門日本語教育研究創刊号. No.1. 40-43 (1999)
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[Publications] 仁科喜久子、Virach S.、奥村学: "オンライン科学技術日本語学習支援のための多言語対応辞書作成に向けて"日本語教育方法研究会誌. Vol.6 No.1. 31-32 (1999)
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[Publications] 仁科喜久子、奥村学: "科学技術日本語学習支援多言語対応辞書の項目設定に関する研究"日本語方法研究会誌. Vol.6 No.2. 32-33 (1999)
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[Publications] Akahori K.,Yang J.C.: "An Evaluation of Japanese CALL Systems on the WWW Comparing a Freely Input Approach with Multiple Selection"CALL(Computer Assisted Language Learning) Journal. 12(1). 59-79 (1999)
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[Publications] Akahori K.,Yang J.C.: "Discourse Structure Analysis of Technical Japanese Text and Its Implementation on the WWW"CALL(Computer Assisted Language Learning) Journal. (投稿中).
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[Publications] 奥村学: "テキスト自動要約に関する研究動向、自然言語処理"「テキスト要約のための言語処理」特集号. Vol.6(掲載予定). (1999)