2001 Fiscal Year Annual Research Report
初等・中等教育段階の接続性を持つ数学的活動カリキュラムの開発と評価
Project/Area Number |
11680182
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
大谷 実 金沢大学, 教育学部, 助教授 (50241758)
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Keywords | 数学的活動 / 接続性 / 比例 |
Research Abstract |
本研究は、算数・数学科のカリキュラム開発と評価に、「数学的活動」という新しい視点を組み入れることを意図し、小学校高学年における算数教育と中学校低学年における数学教育に焦点をあて、これらの学校段階間における接続性を、数学的活動という観点から打ち立てることを目的とした。 本年度は、昨年度の小学校における研究成果を踏まえ、中学校における数学的活動に基づく教授実験を実施し、小学校との接続性の検討から得られた研究仮説の有効性を検討した。実際には、以下のような縦断的調査研究を実施した。調査対象として、本年度は、金沢市近郊の公立中学校第1学年の1クラスを設定し、当該のクラスで営まれる数学の授業を継続的に参与観察した。ここでは、12月と1月初旬の約3週間にわたり、比例の単元の授業を実施した。 調査方法としては、昨年度の研究成果に基づき、数学的活動における水平的数学化と垂直的数学化の態様の分析を行った。その結果、小学校の接続性に鑑みて、次の4点が中学校の比例の指導において重要な評価項目となることが明らかになった。 1.第1水準が達成されていることを確認すること。 2.既に得ている比例の性質を足場とし,数表を中心として数範囲を拡張すること。 3.拡張された数範囲で比例の諸性質の関係を言語を用いて明示化し,比例が式で代表だれる一つの「対象」になるとともに,外比に基づく一意対応として形式化できること。 4.式を対象として操作する経験を積むとともに,関数の一意対応の考えで問題を解決すること。
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Research Products
(1 results)