1999 Fiscal Year Annual Research Report
学級サイズと教師行動に関する比較研究-最適学級サイズに関する研究-
Project/Area Number |
11680185
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
織田 揮準 三重大学, 教育学部, 教授 (90024489)
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Keywords | 学級定員 / クラスサイズ / 30人学級 / 学級編成 / 教員配置 / 学校規模 |
Research Abstract |
小中学校では、学校の荒れ、いじめ、学級崩壊が頻発している。学校教育がかかえるこういった深刻な問題解決には一人ひとりの個性に応じたきめ細かな指導が必要である。中央教育審議会(1998.9)は学級編成や教員配置の自由化、即ち現行の学級編成基準「40人学級」の自由化を提言した。この提言によって児童生徒の保護者、教員、地方自治体から「40人学級の規制緩和」に関する様々な論議や提言が盛んに行われている。しかし、「学級サイズを引き下げれば教育効果が上がる」といった主観的な主張では巨額の財政支出を伴う「30人学級実現」の説得力としては弱い。 本研究の目的は、学級サイズの縮小に伴う教育的効果を実証的に検証することであり、本年度(初年度)は、学級サイズに関する次のような調査や資料収集を行った。 1,学級サイズと教育効果に関する国内外の教育心理学および教育工学の文献研究 2,「学級サイズ」に関する地方自治体や文部省行政の歴史的分析 3,三重県における小学校、中学校の学級サイズ、学校規模等の実態調査 4,学級サイズ縮小に関する保護者や教師等の意見・提案の収集 5,教員志望学生および児童が理想と考える学級サイズとその理由に関する調査 上記の資料分析から、(1)教師は理想的な学級サイズを一斉指導型授業を行うための児童生徒の管理・指導という観点が重視され、その理想サイズは20名から30名であるとする傾向が強いこと、(2)児童生徒は楽しい学級、クラスメイトとの交流といった発想から20名から30名が理想のクラスサイズと考える傾向があることが判明した。
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