1999 Fiscal Year Annual Research Report
占領下日本における米国科学教育情報の受容過程に関する研究
Project/Area Number |
11680187
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
柴 一実 広島大学, 学校教育学部, 教授 (60145175)
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Keywords | G.S.クレイグ / 科学と子供の生活 / 科学の教室 / B.M.パーカー / 広島図書 |
Research Abstract |
平成11年度の研究計画は次の通りであった。(1)コロンビア大学教育学部教授であったG.S.クレイグの翻訳書である『科学と子供の生活』(1949)や『科学の教室(上・中・下巻)』(1949),『科学の世界シリーズ』(1950)の出版に係わった関係者の消息を探し,出版の経緯やアメリカ側GHQ/CIE係官の係わりなどに関する当時の状況についてインタビューを行う。(2)アメリカのシカゴ大学附属実験学校及びコロンビア大学ティーチャーズ・カレッジへ出掛け,現地での実地及び資料調査を行う。(3)B.M.パーカー著『Basic Education Series』の翻訳本出版に係わった関係者に消息を探し,出版の経緯や彼らとアメリカ側GHQ/CIE係官の係わりなどに関する当時の状況についてインタビューを行う。 これらの事項のうち,(3)を除いて,概ね達成することができた。(1)については,元時事通信社の立花丈平氏や元広島大学教育学部附属小学校教官の奥村智徳氏らの証言を得て,研究を進め,広島大学研究紀要『学習開発研究』に,「戦後初等理科教育の革新とG.S.クレイグ著「科学の教室」・「科学と子供の生活」の翻訳出版」として発表することができた。また,(2)については,平成11年11月28日から12月12日まで,アメリカ現地での資料調査を行った。(3)については,B.M.パーカー著『Basic Education Series』の翻訳本出版に係わった関係者として,広島図書の松井富一氏の存在が大きかったことが分かった。松井氏の当時の活躍については,現在調査中である。また,これらの研究過程で,徳島県立文書館に理科教育関係のCIE映画が所蔵されていることが分かった。今後は,映像情報に関する研究も併せて行いたい。
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