1999 Fiscal Year Annual Research Report
算数数学学習の基本概念獲得に関する遠隔ティームティーチングによる実証的研究
Project/Area Number |
11680206
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Research Institution | Osaka Prefectural Education Center |
Principal Investigator |
芝田 秀和 大阪府教育センター, 教科教育部・教科教育室, 研究員兼主任指導主事 (20291198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角谷 知彦 大阪府教育センター, 教科教育部・コンピュータ研修室, 研究員兼指導主事 (00311465)
堂之本 篤弘 大阪府教育センター, 教科教育部・教科教育室, 研究員兼指導主事 (30300990)
柳本 光久 大阪府教育センター, 教科教育部・教科教育室, 研究員兼指導主事 (10280827)
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Keywords | 基本概念獲得過程 / テレビ会議システム / 遠隔ティームティーチング / 課題解決 |
Research Abstract |
算数・数学学習における児童の数量・図形認識力がどのように発達するかについて、小・中・高等学校の教育課程の一貫した流れの中で、まず小学校算数に焦点を当て、学習において基本概念となる内容と児童によるその獲得過程の解明に取り組んだ。テレビ会議システム(Phoenixシステム)による遠隔ティームティーチングの手法を活用し、研究協力校である小学校の授業を観察、記録するとともに、大阪府教育センターから教員・児童に問いかけることによって、基本概念の内容と獲得過程を解明することに取り組んだ。 9月以降の第5学年における遠隔ティームティーチングの結果として、5年生においては、(1)自明な単位のある離散的な(不連続な)量である個数と単位の設定により認識可能となる連続的な量である長さ等のとらえ方について違いと共通性(即ち、連続量ではある大きさを単位1と考えて初めて量をとらえられること)を意識させること、(2)自然数のとらえ方と分数・小数のとらえ方についても同様に違いと共通性(即ち、単位小数、単位分数に関すること)を意識させること、(3)図形についておぼろげなイメージを図形の構成要素の確認により確実にとらえさせること、(4)何を単位1と考え何を求めるのかについて確実にとらえさせること、などが重要な課題となっていることを実証できた。さらに、以上のことに関わる問題を手順として正答できても、数量や図形の考え方として本質をつかまえられていない児童が珍しくないことも実証できた。また、「4mのテープと2mのテープを比較するのにどのような考え方があるか調べてみよう。」というような問いかけを児童に行い、いろんな観点による取り組みを、これが正解だという価値判断なしにさせることで、児童が主体的に課題を分析、解決していくことができることも実証できた。
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Research Products
(1 results)