2000 Fiscal Year Annual Research Report
手書き文字の個性と変動に対する人間の認知構造の解明とその手書き風文字生成への応用
Project/Area Number |
11680212
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Research Institution | YOKOHAMA NATIONAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
但馬 文昭 横浜国立大学, 教育人間科学部, 助教授 (10236523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮武 直樹 横浜国立大学, 法政大学・工学部, 専任講師 (40130752)
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Keywords | 手書き文字 / 文字変動 / 文字の個性 / 方向線素パターン / エントロピー / ボケ処理 |
Research Abstract |
人間が書いた文章には,同じ文字種が繰り返し現れる場合でも,全く同じ字形の文字が現れることはない.つまり,それらの文字は互いに変動を伴っている.そして,そのような変動ある文字に対しても,我々は筆記者の個性を感じとることができる.パソコン等で文書を印刷したり,表示する場合,このような手書き文字集合に類似した文字集合を利用できれば有用である.そして,情報教育においてこのような文字が使用できればその教育効果も高まる可能性があり,意義がある. このような背景に基づいて,本年度は,手書き文字を方向線素パターンを用いて表現することを前提に,手本となる文字パターンに対して方向線素の方向特徴を保存したまま線素の位置変動を付与する文字生成モデルを考えた.すなわち,ユーザの手書き文字を1文字種につき1文字収集し,ストローク毎の方向線素の時系列パターンに変換する.このパターンを手本としてファジールールに基づくボケ処理を加えて得られる重みの分布に基づいて線素を生成する方法を検討した.さらに,その分布に基づいて変動を付加した手書き風文字集合を生成することを試みた.その結果,本手法により,筆記者手書き文字を構成する方向線素の方向成分よりも位置成分の変動が大きい文字が生成できることが明らかになり,方向特徴量を保存したままで線素の位置に変動を与えた手書き風文字を生成できることが明らかになった.これにより,元の手書き文字集合の持つ方向特徴を保持した変形文字が生成できる可能性を得た.
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[Publications] 但馬文昭,宮武直樹,中島洋一: "文字学習システムにおける文字評価に関する一考察"日本教育工学会第15回大会講演論文集. 15. 565-567 (1999)
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[Publications] 但馬文昭: "方向線素エントロピーに基づく手書き文字変動評価の一改善"電子情報通信学会技術研究報告ET99. 99・581. 33-40 (2000)
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[Publications] 但馬文昭,宮武直樹,中島洋一,小田哲久: "手書き文字と活字体の混在した文書の印象評価の試み"第10回ソフトサイエンス・ワークショップ講演論文集. 10. 102-103 (2000)
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[Publications] 但馬文昭,松本学: "ファジールールによる手書き風文字の生成"電子情報通信学会技術研究報告ET2000. 100・600. 107-114 (2001)