1999 Fiscal Year Annual Research Report
脱文脈化を利用して知識の定着を促進する自宅学習支援システム開発のための基礎研究
Project/Area Number |
11680215
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
漁田 武雄 静岡大学, 情報学部, 教授 (30116529)
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Keywords | 知識 / エピソード記憶 / 文脈 / 場所 / 課題 / 自由再生 / 大学生 |
Research Abstract |
今年度は、「学習した知識が,文脈に依存するエピソード記憶としての知識であること」を実証するために、以下の2つの実験を完了した。また、実験実施に必要な準備(実験前の調査、設備備品の購入、実験ソフトの開発、実験協力者の訓練、予備実験の実施等)を行った。実験1では、学習を行う場所と学習とともに行わせる課題(共存課題)を複合させて、文脈を操作した。具体的には,場所Aと共存課題Aとを組み合わせて文脈Aを構成し,場所Bと共存課題Bとを組み合わせて文脈Bを構成した.場所Aは,部屋の片隅の2m×2mのスペースとし、場所Bは5.5m×5.2mの部屋全体とした.共存課題Aとして計算課題を行わせ、共存課題Bとして,割り箸を使って,金時豆を1個ずつ,カップからカップヘ移す作業を行わせた.符号化(学習)課題は、漢字2文字熟語4個を用いて、意味のある文を生成することであった。個別実験で、文脈A(あるいはB)のもとで、1分間の符号化課題と30秒間の共存課題を交互に行わせた。符号化課題は5回、共存課題は6回行わせた。符号化終了後、第3の場所(場所C)で、10分間の干渉課題(単語完成課題)を行わせた。そして、文脈A(あるいはB)で、作文素材となった熟語20個の口頭自由再生を行わせた。符号化文脈(A、B)xテスト文脈(A、B)の4つの独立群を構成し、15名ずつの大学生を、各群にランダムに割り当てた。実験の結果、有意な文脈依存記憶を検出した。実験2では、文脈を共存課題のみで操作した。場所は、全条件で、場所Bを使用した。符号化文脈(A、B)xテスト文脈(A、B)の4つの独立群に、10名ずつの大学生をランダムに割り当てた。実験の結果、有意な文脈依存記憶を見いだせなかった。以上の2つの実験結果から、知識形成初期においてエピソード記憶が依存する文脈は、場所や課題状況などの複合したものであることが示唆される。
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Research Products
(1 results)