1999 Fiscal Year Annual Research Report
WWW環境における学習者対応型知的CAIシステムの開発とそのデータ分析
Project/Area Number |
11680228
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
渡邊 博之 日本大学, 工学部, 講師 (40147658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 勝洋 日本大学, 工学部, 教授 (90139056)
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Keywords | WWW / ニューラルネットワーク / CAIシステム / コースウェア / メンバシップ関数 / 回答時間分布 |
Research Abstract |
本研究は,コースウェアの作成が容易であり,実用性と汎用性に優れたCAIシステムをWWW環境において提供することを目的としている。このため,テキスト形式で問題ファイルや正答データなどのコースウェア情報を書き込んだ制御ファイルを提案することにより,プログラミングレスでコースウェアが作成できるCAIシステムを開発した。また,次の2つのコースウェアを作成して本システムを評価した。 1.制御ファイルをニューラルネットワークで制御することによって,学習者の理解度に応じて柔軟にフレームを提示できるようにした。一例として英文学習のコースウェアを作成し,学習に要したフレーム数と学習の終了後に行った筆記による確認テストとの関係を調べた。この結果,コースウェアによる学習を行う前と後では確認テストに20%以上の差があり,学習効果が確認できた。また,確認テストによる理解度の高い学習者は少ないフレームで学習を終了し,理解度の低い学習者は多くのフレームを学習することになり,学習目標に到達できることを明らかにした。 2.学習者が問題項目を完全に理解していなければ次の問題項目に進めないようなコースウェアを作成し,評価パラメータの1つである回答時間を測定した。回答時間の実測値はファジィ集合によるメンバシップ関数を用いて数値変換し,問題項目ごとにおける回答時間分布の特性を分析した。また,いくつかの問題項目が組み合わさった回答時間分布の推定式について検討した。この結果,いくつかの問題項目が組み合わさった回答時間分布は,問題項目ごとの平均と分散を用いるだけで,簡単でかつ実用的にベータ二項分布で推定できることを示した。
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[Publications] Hiroyuki Watanabe: "Development of the ICAI system in WWW for individualized education"ICYCS'99, Advances in Computer Science and Technology. vol.II. 966-970 (1999)
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[Publications] 渡邊博之: "WWW環境における個別学習対応型知的CAIシステムの開発"日本大学工学部紀要. 41・1. 85-89 (1999)
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[Publications] 渡邊博之: "CAIコースウェアにおける回答時間分布の統計的解析"日本大学工学部紀要. 41・1. 91-95 (1999)
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[Publications] Hiroyuki Watanabe: "An analysis of response time distribution for CAI courseware"ICCE'99, Advanced Research in Computers and Communications in Education. vol.2. 125-132 (1999)
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[Publications] 渡邊博之: "CAIコースウェアにおける学習時間分布の分析"電子情報通信学会論文誌. J89-D1・7. (2000)