社会科教育における構成的アプローチに基づく授業方略の研究

2000 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 11680256
• Research Institution: University of Fukui
• Principal Investigator: 寺尾 健夫 福井大学, 教育地域科学部, 助教授 (70217412)
• Keywords: 構成主義 / 社会科教育 / 歴史教育 / 認知 / 授業 / 学習

Research Abstract

本年度は,社会科教育における構成主義的アプローチに基づく授業方略の研究として,平成11年度に引き続いて,米国および英国で発行されている構成主義的な社会科教育,中でも特に構成主義的特色が顕著に見られる歴史教育の学習指導論および教育方法に焦点を当て,これに関する英文文献,認知科学,認知心理学,哲学(認識論)に関する邦文文献を基にして,構成主義的な歴史学習やその指導を基礎づけている認知論,および学習段階論,教授-学習過程の原理を批判的に検討し,構成主義的アプローチに基づく歴史の授業構成論(教授-学習論)を明らかにした。
構成主義歴史教育のカリキュラム論や学習構成論の研究を進めているのは,米国の教師カリキュラム協会(TCI)が開発している中・高等学校レベルの歴史教育カリキュラム『History Alive!』であり,このカリキュラムでは構成主義の中でも特に社会的構成主義に基づく3つの授業構成原理と8つの教授方略をとっていることが明らかとなった。
上記の歴史教育カリキュラム『History Alive!』の授業構成論と単元事例を参考にしながら,本年度は「人類の誕生」,「フランス革命」,「アメリカ独立革命」の単元についての構成主義的なアプローチに基づく歴史授業(中,高等学校用)の開発を行った。
本年度の研究成果の一部は,日本教科教育学会第26回全国大会(平成12年11月18日・19日,上越教育大学)での研究発表(発表題目「歴史授業構成原理としての社会的構成主義」),および研究誌『学校教育』(平成13年3月)等の論文で発表している。
なお,本年度分の研究発表(論文)としては示すことが出来なかったが,現在,本年度の研究成果を学会誌に投稿中である。

Research Products

• [Publications] 寺尾健夫: "歴史授業構成原理としての社会的構成主義"日本教科教育学会第26回全国大会論文集. 26. 72-73 (2000)
• [Publications] 寺尾健夫: "構成主義に基づく社会科学習と評価"学校教育. 1004. 12-17 (2001)
• [Publications] 溝上泰,小原友行(編著): "生活科教育(改訂版)"学術図書出版. 185 (2000)
• [Publications] 森分孝治,片上宗二(編): "社会科重要語300の基礎知識"明治図書. 317 (2000)