1999 Fiscal Year Annual Research Report
静岡県にみる家庭科の授業実践における体験的学習についての歴史的考察
Project/Area Number |
11680258
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
吉原 崇恵 静岡大学, 教育学部, 教授 (80022218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 裕子 静岡大学, 教育学部, 助教授 (20136154)
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Keywords | 実践報告 / 学習過程 / 体験的学習の方法 / 体験的学習の位置づけ |
Research Abstract |
本年度は二年計画の初年度にあたり、1.県内の家庭科教育実践報告を収集してきた。これは、二種類の研究会からら収集した。(1)静岡県技術家庭科研究会の研究会誌の発行当初1966年から32年間分、(2)静岡県教職員組合教育研究集会報告集を1950年から48年間分を通読し、実践報告をコピーし収集した。約250件になる。これらは年度別に整理し、これから量的な分析ができるようデータシートの作成と入力作業に取りかかるところである。これらの資料を瞥見したところでは研究課題の変遷、学習過程の枠組みの変遷、体験学習方法の多様化、体験学習の意味づけの変遷などをを明確にできるという予想がたった。例えば研究会誌によると平成10年において指導過程は(1)つかむ(2)見通す(3)確かめる(4)振り返るの型として提案されている。その前までは平成3年からであり、(1)学習課題の提示(2)問題の発見(3)焦点化(4)学習問題の成立(5)予想立て(班別)(6)予想に基づく実証(班別)(7)実証結果の検証(8)一般化という型が見られる。このようにして整理すると学習過程の変遷と、転換点の根拠が整理できることになる。更に「問題の発見」の段階は昭和48年時に「問題の提示」と表現されていたことが分かった。これは教師主導の指導過程から生徒主体の学習過程へと変遷してきたことを示していると予想できる。しかし、その違いはこれらの学習過程の各段階での教授行為と生徒の学習方法に注目しなければならないことが分かってきたところである。2.県内の家庭科教育の実践を担い指導的な立場も経験したベテラン教師のうち浜松地区の2教師にインタビュウした。県内家庭科実践課題の変遷についての認識をたずねた。これらは上記1の研究を進める上での視点つくりに役に立った。また、静岡県西部地区独自の家庭科研究会誌の資料で散逸したものを収集して提供してもらえることになった。3.その他、県内の高校家庭科研究年会誌の分析を行った。
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