2000 Fiscal Year Annual Research Report
ニュージーランドの教科カリキュラムの構成主義的要素をとり入れた環境学習教材の開発
Project/Area Number |
11680260
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
広木 正紀 京都教育大学, 教育学部, 教授 (30115977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大隅 紀和 京都教育大学, 教育学部, 教授 (90000083)
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Keywords | 環境学習 / 教材開発 / ニュージーランド / 構成主義 / 学習の三段階 / カリキュラム / 活動教材 / 小中学校 |
Research Abstract |
1.日常知や身近な体験を尊重する構成主義の観点を、環境学習にとり入れる方策を探すため、構成主義を背景に作られたとされるニュージーランド(以下NZと示す)の理科カリキュラムを、環境学習の観点からの分析した[資料としてNZの教育省(1993)によるScience in the New Zealand Curriculumと日本の文部省(1989)による小学校と中学校の学習指導要領を用いた]。今年度の分析は、昨年度までの地学分野と生物分野にひき続き、主に物理分野について行った。その結果、物理分野の場合も、日本では「自然はどうなっているかを調べる活動」(=環境学習の第1段階)がほとんどを占めるのに対し、NZの場合、第1段階の活動(例.摩擦や摩擦抵抗の実験等)に加えて、「自然と生活との関わりを調べる活動」(=環境学習の第2段階;料理の熱源としてのガスと電気の効率を比べる実験等)や「科学技術と生活・社会との関わりを調べる活動(=環境学習の第3段階;地域のエネルギー資源の調査等)も豊富に、かつ身近な素材についてとり挙げられていた。 2.この結果を踏まえ、環境学習教材の開発を、身近な素材を用いた次のテーマについて行った。第1段階に関わる教材…「川や池の水はどんな色に見えるか」「水田の土や草むらの土を水槽に入れて屋上に放置する」、「ビーカーに入れた煮沸水を屋外に放置する」、第2段階に関わる教材…「大気中の浮遊粉塵の簡易測定」、第2・3段階に関わる教材…「河原の石で火を起こす」、第3段階に関わる教材…「身近な野草から貯蔵でんぷんを探す」「いろいろな'わら'を使った納豆づくり」「資源としてのドングリ」「自然物から油を取り出してせっけんを作る」「身近な土を使って野焼きにより土器を作る」「身近な土から砂鉄をとって鉄をつくる」
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 広木正紀: "環境学習で押さえたい「学びを構成する三つの段階」"理科の教育. 49(6). 16-19 (2000)
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[Publications] 広木正紀: "物づくりや観察を通した身近な自然の再発見"日本理科教育学会第50回全国大会要項. 91-93 (2000)
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[Publications] 広木正紀: "義務教育段階の理科カリキュラムをどう見直して行くか-ニュージーランドとの比較から提起される論点について"日本理科教育学会平成12年度近畿支部大会要項. 24-24 (2000)
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[Publications] 村田直樹,広木正紀,村上忠幸: "ビーカーに入れた煮沸水を屋外に放置する"日本理科教育学会平成12年度近畿支部大会要項. 45-45 (2000)
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[Publications] 藤原朋美,広木正紀,村上忠幸: "ドングリから広がるヒトと自然との関わり"日本理科教育学会平成12年度近畿支部大会要項. 56-56 (2000)
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[Publications] 広木正紀,川村康文,谷真也,田中眞範: "力に関する小学校カリキュラムを再編する視点の検討(1)"京都教育大学教育実践研究年報. 17号. 81-96 (2001)
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[Publications] 大隅紀和: "総合学習のポートフォリオと評価"黎明書房. 112 (2000)