2000 Fiscal Year Annual Research Report
ダンス学習における障害児および障害を持たない児童によるインテグレートの効果
Project/Area Number |
11680262
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
佐分利 育代 鳥取大学, 教育地域科学部, 助教授 (60093598)
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Keywords | 視覚障害児 / 聴覚障害児 / 障害のない児童 / インテグレート / ダンス学習 |
Research Abstract |
平成12年度は、11年度に行ったインテグレートによるダンス学習と作品発表の実施におけるデータを分析し考察した。その結果ダンス学習における、視覚障害児、聴覚障害児、障害のない子どもによるインテグレートの効果として以下のことがあげられた。 1.障害のない子どもが障害児を理解する手がかりとなった。 2.表現の原体験としての砂丘での遊びにおける視覚障害児と障害のない子どもの関わりの変化は、子どもたちが自ら学んだ共に生きるあり方であった。 3.合同作品では、日常や、各学校だけの学習ではできなかった体験があった。 (1)実際の砂丘では孤立していた聴覚障害児が、他校の児童と手をつないだりタイミングを合わせて踊った。 (2)ためらいがちで制限的な運動の型を持つとされ、歩行の不安定さを指摘される視覚障害児が自信を持って大きく進んだり、思い切ってジャンプできたりした。 (3)障害のない子どもが視覚障害児を自分たちの表現に取り込み、さらに新しい表現を創って踊った。 4.視覚障害児の運動表現に、全身一体となった、自由な流れと強い力のエフォートを持ったものが現れた。また、ともだちと一緒に表現する内容を体験できた。 この他「障害児一人一人のニーズに応じた教育的支援は障害のない子どもにも必要な支援であった」「交流には時間的、空間的障害があった」「教員が障害児、障害のない子どもそれぞれの文化を紹介し交流を援助する役割を担える」「ダンスのように、新だな文化を共につくりあげる体験の機会を多く持たせることが共に生きる力をはぐくみ、ノーマライゼーションにもつながる」などの課題と示唆を得た。
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