2000 Fiscal Year Annual Research Report
続・表現運動、ダンス領域における学習材としての「郷土芸能」の可能性を探る
Project/Area Number |
11680276
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Research Institution | Miyazaki University |
Principal Investigator |
高橋 るみ子 宮崎大学, 教育文化学部, 助教授 (50197191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 昌代 宮崎女子短期大学, 助教授 (20270150)
藤川 秋子 宮崎女子短期大学, 助教授 (80331940)
有馬 早苗 聖心ウルスラ学園短期大学, 講師 (20082472)
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Keywords | 表現 / 創作ダンス / 郷土芸能 / 宮崎らしさ / 宮崎の特色 / 発表と評価 |
Research Abstract |
平成13年度の11月に宮崎市で開催する全国学校体育研究発表大会で公開する"宮崎らしい表現・創作ダンス"につなぐことを目的に、平成11年度は、県内の中・高等学校を対象に「郷土芸能」の実践について実態調査を行ない、平成9年に報告した小学校のそれとの比較から、学校種によって異なる取り組みの実態等を明らかにした。併せて、県北を代表する芸能「ばんば踊り」を題材に中学校の創作ダンスの授業(男女共習・選択制)を行ない、その成果を発表した(於:ムーブメント・アート・インみやざき2000)。 続く平成12年度は、当初の研究計画案では、全国大会で公開する幼・小・中・高のそれぞれに具体的な単元計画案を作成しかつ間接的な指導にも携わる予定であったが、その前に、それまでの事例的研究の中で新たに生じた疑問(単に宮崎の郷土芸能を取り上げるだけで本当に"宮崎らしい表現"を学習者から引き出すことができるのか、あるいはもつと"宮崎らしさ"を引き出せる題材が他にあるのではないか)と、本来ならば今回の研究テーマを設定する際に明確にすべきであった疑問(そもそも"宮崎らしい表現"とはどのような表現を指すのか)について追究する必要性を感じ、敢えて計画を変更した。そして、題材の"宮崎らしさ"以上に、作品を鑑賞する側の宮崎に対する興味や関心の大きさがその評価に影響を及ぼしていることや、必ずしも県内外でその評価が一致しないことが明らかになった。その結果、宮崎の子どもたちが自分の周囲の見慣れたものから美しいものや新鮮なものを見い出し、本当によく観てその通りに表現するならば、必然的にその表現には"宮崎らしさ"が表出するといった、表現や創作ダンスの原点に立ち返ることとなった。 以上のことから、来たる全国大会に向けた作品づくりでは、宮崎の今を生きる子どもたちが見慣れた自然現象や生活事象を題材にすること、もちろん郷土芸能(すでに表現・創作ダンスの学習材としての有効性を実証した)もその一つとして十分にふさわしいとの共通理解に至り、本研究の意味を追認することができた。なお平行して実施した本年度の実践研究の成果は、この2月に企画・開催した「ムーブメント・アート・インみやざき2001」で発表し、全国大会につながる作品として関係者から高い評価を得た。直接的には関わることはできないが、全国大会での公開に期待したい。
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[Publications] 高橋るみ子: "郷土芸能(民踊)と表現運動・ダンスの学習-宮崎県の実態を手がかりに-"宮崎大学教育文化学部附属教育実践研究指導センター研究紀要. 第7号. 103-115 (2000)
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[Publications] 佐々木昌代: "中学・高等学校における「郷土芸能」の取り扱いについて-宮崎県内アンケート調査から-"宮崎女子短期大学紀要. 第26号. 57-73 (2000)
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[Publications] 佐々木昌代: "中学・高等学校における「郷土芸能」の学習-宮崎県内のアンケート調査から-"舞踊学. 第23号. 84 (2000)
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[Publications] 高橋るみ子: "宮崎らしい表現・創作-ダンスを探る-表現・創作ダンスからフォークダンス(民踊を含む)へのアプロチ"宮崎大学教育文化学部紀要. 第4号. 39-53 (2001)
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[Publications] 藤川秋子: "表現運動・ダンス学習における"宮崎らしさ"の一考察"宮崎女子短期大学紀要. 第27号. 105-114 (2001)
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[Publications] 有馬早苗: "郷土芸能『ばんば踊り』を学習材とした創作ダンスの学習-延岡市立東海中学校の実践から-"聖心ウルスラ学園短期大学紀要. 第30号. 29-41 (2001)