2001 Fiscal Year Annual Research Report
異文化接触の教育的効果(態度変容とコミュニケーション能力の習得)に関する研究
Project/Area Number |
11680288
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
八島 智子 関西大学, 外国語教育研究機構, 教授 (60210233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 共子 岡山大学, 文学部, 助教授 (40227153)
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Keywords | 異文化接触 / 第二言語コミュニケーション / コミュニケーション不安 / 異文化コミュニケーション能力 / 英語学習動機 / 異文化適応 |
Research Abstract |
本研究の目的は、海外滞在による異文化接触が、学習者の1)外国語学習動機、2)コミュニケーションへの積極的な態度、不安、自信 3)異文化への態度 4)国際的志向性に変容をもたらすかどうか、そして、その変化と言語能力に関連が見られるかどうかを客観的、科学的な方法で調査することにある。過去2年間に渡り、質問紙の開発と実施を行ってきたが、本年は主にデータの解析と成果の発表を行った。昨年度大学生を対象に得られたデータを用いて共分散構造分析を行った結果、異文化への態度や国際的志向性が、学習動機に影響し、それが、英語力の向上につながると同時に、コミュニケーションに対する自信を高めていることが示された。この結果は、本年度大学英語教育学会において発表した。また、論文も執筆し国際誌に投稿し、すでに採択されている。 平成11年7月に、外国人教師と日常的に接触のある国際高校において実施した質問紙と英語標準テスト(TOEFL)を実施したが、その結果の解析を現在進めている。さらに新たなデータとして、同高校生に対し、平成13年12月に同じ質問紙と英語標準テストを実施した。この2年半の間に生じた変化は日本における外国人との日常的接触という特殊な異文化接触の影響と考えられる。このように同じ被験者に対し、同じインスツルメントを時間をおいて2回行い変化を見るという方法は、実施上の困難を伴うためあまり行われておらず、この意味で極めて貴重なデータと言える。また、英語教育の現場において入手したデータだけに、得られた知見を教育実践に還元しやすいものと期待できる。
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[Publications] 八島 智子: "国際志向性と英語学習モーティベーション"関西大学 外国語教育研究. 1. 33-47 (2000)
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[Publications] Tomoko Yashima, Tomoko Tanaka: "Roles of Social Support and Social Skills in the Intercultural Adjustment of Japanese Adolescent Sojourners in the USA"Psychological Reports. 88. 1201-1210 (2001)
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[Publications] Tomoko Yashima: "Willingness to Communicate in a Second Language : The Japanese EFL Context"The Modern Language Journal. 86-1. 54-65 (2002)