2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11680312
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
岡崎 眸 お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (80223999)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村松 賢一 お茶の水女子大学, 留学生センター, 教授 (00272732)
長友 和彦 お茶の水女子大学, 人間文化研究科, 教授 (60164448)
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Keywords | 内省モデル / 日本語教育実習 / 教師の意思決定 / 教師の成長 / 授業評価 / 問題解決行動 |
Research Abstract |
1.ビデオ録画した実習授業を刺激として授業中の意志決定のプロセスを刺激回想法を使って、実習生の意志決定のあり方を探った。結果、実習生は予め立てた教案にこだわり柔軟な意志決定ができないという先行研究の知見は支持されず、教育経験の有無は実習生の意志決定プロセスの柔軟性に関与していないことが分かった。今回対象とした実習プログラムは実習生の内省を重視する内省モデルに基づくプログラムであり、先行知見はトレーニング型プログラムを受講している実習生であったことから、実習生の意志決定に影響を与える要因は教育経験ではなく、実習プログラムのあり方である可能性が示唆された。 2.実習生教師の授業中の質問行動を、内省モデルに基づく実習(01年度)とトレーニング型実習(91年度)、移行型実習(99年度)でそれぞれビデオ録画した発話資料をデータとして比較し、実習プログラムが実習生教師の質問行動にどのように反映されているかを探った。結果、トレーニング型では展示型、closed型質問、移行型では参照型、closed型質問、内省型では参照型、openended型質問が典型的になされていることが分かった。 3.多文化共生意識の醸成を目指す児童(外国人及び日本人)クラスの実習授業を実習生教師の発話に注目して分析した結果、教師発話は、「多様な言語や文化の存在を意識し自分がその中の一人であるという自覚を体験を通して自覚する」という実習の理念を色濃く反映し、形式面では説明ではなく質問が多く、機能面では、児童の主体的参加を促したり思考の深化を促したり、個々の児童の声を取り上げ相互に交流させたり、さらには児童の応答から実習生教師が学ぶ発見的受容と言える発話が観察された。
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Research Products
(1 results)