2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11680319
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 朋広 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (90210707)
|
Keywords | 漸近展開 / 確率過程 / Malliavin解析 / ミキシング / 確率微分方程式 / 情報量規準 / サポート定理 / 推定量 |
Research Abstract |
1.パーシャル・ミキシングの概念を導入し,その漸近展開を導いた.応用として,強従属性のある説明変数過程をもつ回帰モデルの最小2乗推定量の分布の漸近展開を研究した.係数がランダムなジャンプ付き確率微分方程式の汎関数の漸近展開において,条件付きクラーメル条件に代わり,ある拡大された確率微分方程式の解のマリアヴァン共分散が非退化になるスケルトンの存在のもとで漸近展開の正当性を証明した.この条件は,今までの漸近展開における非退化性の条件を大幅にゆるめ,純ジャンプ過程にたいしても検証が非常に容易になった. 2.ウエザー・デリバティブへの応用を目的とし,降雨量に関するクラスターモデルの推定量の漸近展開を導いた.ネイマン・スコットモデルとバートレット・ルイスモデルを研究した.非退化性の条件として,ジャンプ型のパス空間に適当な事象が存在し,その上で降雨量に対応するファイバーの分布の滑らかさが遺伝する,という条件を与えた. 3.経路依存型の汎関数に対するオイラー・丸山法の誤差評価を与え,さらに,非正則な汎関数に対して,ジャンプ型のマリアヴァン解析を用いて同等の誤差評価が正しいことを証明した.確率空間の剪定を拡大された確率微分方程式によって構成することが証明のネックになった. 4.最適ポートフォリオの数値計算に漸近展開を応用した. 5.解析的漸近展開とモンテカルロ法の混合(ハイブリッド展開)を導入し,オプション・ブライシングで有効であることを示した.
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Kusuoka,Shigeo: "Malliavin calculus, geometric mixing, and expansion of diffusion functionals"Prob.Theory Relat.Fields. 116. 457-484 (2000)
-
[Publications] Uchida,Masayuki: "Information criteria in model selection formixing processes."Statistical Inference for Stochastic Processes. (2001)