2001 Fiscal Year Annual Research Report
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11680333
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
中野 純司 統計数理研究所, 統計計算開発センター, 教授 (60136281)
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Keywords | Java言語 / World Wide Web / グラフィカルユーザインタフェース / クライアント / サーバモデル / 分散処理 |
Research Abstract |
本年度は、統計解析システムJasp(JAva based Statistical Processor)の言語の改良と分散処理機能の拡充を主として行った。 昨年までに、システムをクライアント/サーバ構造として作成することにより、ユーザインタフェース(グラフィカルユーザインタフェースとキャラクタユーザインタフェース)の部分と計算の部分を別々のコンピュータ上で分散して処理することが可能になっていた。また、複数のサーバを利用するような実験的な機能も実現した。この実装のためには、JavaのRM1機能を利用した。 まず、Jasp言語の改良として、GUIの補助と簡単なヘルプ機能のための情報をJava docのような形式のコメントとしてプログラム中に記述できるようにした。これにより、言語の文法を複雑にすることなく、付加的な情報を埋め込むことができるようになった。複数サーバを利用する関数に関しては、MPIライブラリのsend, receiveに対応する関数とオブジェクトの移動を行う関数を実装した。また、複数のサーバへの必要なプログラムの配布も行えるようにした。これにより、複数のサーバを同時に利用して、複雑な計算の負荷を分散させることが可能となった。 ただし、本年当初に計画したRMIの拡張であるJiniの利用については簡単なテストを行ったにすぎない。 また、これを用いても、サーバ間の自動的な負荷の調節を行うことは容易ではないことがわかった。ただ、Jiniを利用することによって、サーバの動的な追加などが可能となるので、分散処理に関しては、今後はJiniを利用することに決定した。 なお、グラフィックスライブラリに関しては、XploRe互換のJavaクラスライブラリが完成したので、これまで利用していたPtplotからこのライブラリへの移行を行った。
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[Publications] 藤原, 中野 他: "Java言語による統計解析システムJasp"統計数理. 49巻2号. 333-343 (2001)
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[Publications] 小林, 中野 他: "拡張したオブジェクトによる重回帰分析支援システム"計算機統計学. 14巻2号. (2001)
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[Publications] Fujiwara, Nakano et al.: "An implementation of a statistical language based on Java"Journal of the Jap.Soc. of Computational Stat.. Vol.14, No.1. (2001)
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[Publications] Yamamoto, Nakano: "Distributed processing functions of a time series analysis system"Journal of the Jap.Soc. of Computational Stat.. Vol.14, No.1. (2001)
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[Publications] 垂水, 森, 山本, 中野, 宿久, 共訳: "統計解析環境XploRe-ラーニングガイド-"共立出版. 500 (2001)