1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11680339
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
横尾 英俊 群馬大学, 工学部, 教授 (70134153)
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Keywords | データ圧縮 / ユニバーサル符号 / 文脈ソート法 / ブロックソート法 / 整列変換 / プレフィクスリスト |
Research Abstract |
近年,無歪みデータ圧縮の新しい手法として,整列変換型のユニバーサル符号が注目されている.本研究では,本符号の代表例であるブロックソート法と文脈ソート法について,理論的側面と実装技術開発の両面から検討を行った.特に,最近開発したプレフィクスリストというデータ構造を使って文脈ソート法を実装し,ユニバーサルデータ圧縮の従来の代表的モデルであるPPMとの比較を行った.その結果,適応的アルファベット分解という新しい概念で両手法が関係づけられることが判明した. 整列変換型のユニバーサル符号とは,圧縮対象であるデータ系列を整列に基づいて整数値の列に変換し,得られた整数列を適当な符号によって圧縮するものである.データ圧縮と予測とは表裏の関係にあり,入力の次の記号が予測できれば圧縮が可能となる.整列変換とは,次の入力記号の候補の集合に対し,予測に基づいた全順序関係を定義することにほかならない.これを半順序に拡張したものが適応的アルファベット分解である.全順序集合は整数の符号化を使って圧縮することができるが,半順序集合の符号化には確率的なモデルの導入が必要になる.文脈ソート法を適応的アルファベット分解を使って再定式化し,それに確率モデルを組み合わせた結果,ブロックソート法やPPM法を上回る圧縮性能を得ることができた.今後は,適応的アルファベット分解に組み合わせるべき確率モデルの理論的な評価を遂行する計画である.
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