利用者により再構成可能なオブジェクト指向地図データベース

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 11680365
• Research Institution: Kyushu Institute of Technology
• Principal Investigator: 吉田 隆一 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (70200996)
• Keywords: オブジェクト指向データベース / 地理情報システム / ビュー / 拡張性 / 委譲機構

Research Abstract

本研究の目的は,オブジェクト指向地図データベースにおけるビューを提供する機能と拡張性を実現する機能を統合し,利用者に対して仮想的にデータベースを再構築する機能を提供することを実現するものである.我々は既に,ビューを規定する視点として,利用目的,地図の範囲(地域),情報密度(地図の縮尺に相当)の三つを提案し,更に,これら視点を構成する三つの要素から個々のビューを生成するモデルを提案した.
今年は,ビュー生成機構の実装を目的として,その設計を行うとともに,拡張性の実現法として委譲機構を用いる方法を提案した.
ビュー生成の機構は,Domain Generator, Appearance Generatorより成る.これらは,それぞれ,利用目的,地図の範囲,情報密度からビューのインスタンスに含まれるオブジェクトの集合を表すdomainと,domainに含まれるオブジェクトのもつ振る舞いを表すappearanceを指定する.ここで指定されたdomainとappearanceに基づいてProxy GeneratorがProxy Objectを生成する.即ち、Proxy Objectは,domainに含まれるデータベースオブジェクトのproxyであり,appearanceで指定されるProxy Objectの振る舞いを表すmethod群を持つ.利用者は,このProxy Object対してデータベースの操作を行い,この操作はProxy Objectによりデータベースオブジェクトへ伝えられる.これにより,利用者はProxy Objectの集合を,仮想的に再構成されたデータベースと見ることができる.
また,仮想的に再構成されたデータベースには,拡張オブジェクトを含むことができる.拡張オブイジェクトは,利用者に必要な拡張部のみを持ち,それ以外はProxy Objectに委譲する.

Research Products

• [Publications] Toshiyuki Ishimura, Takaichi Yoshida: "The Representation Method as User View in the 3D Urban Map Database"Symposium on ASIA GIS 2001. (CD-ROM). (2001)
• [Publications] 古谷洋一郎, 土田 誠, 吉田隆一: "利用者の目的に応じて仮想的に再利用可能な地図データベース"第54回電気関係学会九州支部連合大会講演論文集. 676 (2001)