オブジェクト指向フレ-ムワ-クの利用支援に関する研究

1999 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 11680371
• Research Institution: Waseda University
• Principal Investigator: 深澤 良彰 早稲田大学, 理工学部, 教授 (20165252)
• Keywords: フレームワーク / テスト / ホットスポット / パステスト / 再利用技術 / オブジェクト指向

Research Abstract

ソフトウェア再利用技術とオブジェクト指向を組み合わせたものにフレームワークがある。フレームワークを利用することにより、クラス単体での再利用に比べて、大きな信頼性・開発効率の向上が期待できる。しかし、フレームワークを使用するためにはそのフレームワークに対する詳細な知識を要求される。これが、フレームワークによる大幅なソフトウェア生産性・信頼性向上の弊害となっている。従来の研究は実装作業や習慣作業を支援するものであり、アプリケーション作成におけるテストの工程に関連した支援手法は整備されていない。
本研究では、テストに着目した実装の支援を目的として、フレームワークによるアプリケーション開発支援手法を提案した。ユーザに対してテストに注目した実装を行なわせ、それを支援することによって、テスト工程の作業効率を上昇させることが目的となる。
本手法では、パステストに着目した実装支援を行なった。パステストに着目する理由は、パステストはソフトウェアテストの内でも基本的なものであり、その効果の高さが認められているテスト手法であるからである。
支援を行なうために、主にフレームワークの作成段階で得られる静的な情報を用いた。クラス構造全体を再利用するフレームワークを用いて作られるアプリケーションプログラムは、基本的な部分で同一の構造を持つことから、フレームワークを静的な情報を用いて解析することによって、支援を行なうことが期待されるからである。
本研究の成果として、実装の早い段階で、有効なテストが行えることがわかってきている。

Research Products

• [Publications] R.Kuroda & Y.Fazawa: "A Metric for Frame works Based on a Developer's Deviation"Proceedings of the workshop on SAC. 1. 59-62 (1999)
• [Publications] 鷲崎,深澤: "MVC指向ア-キテクチャBeaMの機構とその評価"ソフトウェア工学の基礎ワ-クショップ予稿集. 22巻. 63-75 (1999)
• [Publications] 嶋村,深澤: "フレ-ムワ-クを用いた実装におけるテストの視点からの支援手法"ソフトウェア工学の基礎ワ-クショップ予稿集. 22巻. 76-83 (1999)
• [Publications] 鷲崎,深澤: "コンポ-ネント技術に基づくUndo/Redo機能実装支援"プログラミングおよび応用のシステムに関するワ-クショップ. 50-62 (2000)
• [Publications] 施,深澤: "スライシングを用いたフレ-ムワ-クの再構成支援技法"情報処理学会ソフトウェア工学研究会報告. 124号. 17-24 (1999)
• [Publications] 黒田,深澤: "ユ-ザの実装逸脱度に基づくフレ-ムワ-クの設計評価メトリクス"情報処理学会全国大会予稿集. 59. 572-573 (1999)