1999 Fiscal Year Annual Research Report
人間の色知覚特性を考慮したカラー画像の領域分割に関する研究
Project/Area Number |
11680385
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
阿部 圭一 静岡大学, 情報学部, 教授 (80022193)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 岳弘 静岡大学, 情報学部, 助手 (70293595)
|
Keywords | カラー画像処理 / 領域分割 / 色知覚特性 / クラスタリング手法 / ISODATA法 / カラーインデックス / エッジベクトル抽出器 / 色分類心理実験 |
Research Abstract |
本研究の目標は、画像データベース検索や物体認識を目的としたときに人間が色に関してどういった手がかりを用いているのかを明らかにし、人間の知覚特性を考慮してカラー画像の領域分割手法を提案することである。これまでに、以下の3つの項目について研究を行った。 1.人間による色分類の心理実験を行い人間の持つ色特性を解析し、得られた結果から人間の色知覚に近い色空間を選定した。心理実験では、被験者に色のみを表示し、原画像の画像平面上における情報(形状、配置など)は見せないで実験を行った。得られた結果を分類された色集合の凝集度や分離度などの尺度を用いて評価し、人間の色知覚に近い色空間を選定した。また、カラーインデックス法を用いて対象となる人物の色を学習し、動作認識を行う応用を試みた。 2.1で得られた解析結果をもとに、色特徴空間におけるクラスタリング手法を用いた領域分割を考案した。さらにクラスタリング手法の一つであるISODATA法を用いた色特徴のみによる領域分割の限界を明らかにし、画像平面情報を取り込む方法を考案した。クラスタリングの画素の割り当て時に画素の隣接情報を取り込み、さらに分割後の隣接領域間の分離度を用いることで、領域分割をより正確かつ安定に行うことができることを確認した。 3.エッジベクトル抽出器を一般化しカラー画像にも適用できるようにし、色特徴の各軸の最適な比率について考察している。今後は、人間による画像平面上での領域分割結果を作成して解析を行い、2において提案したクラスタリング手法による領域分割手法と、カラーエッジ検出器を統合し、人間の色知覚を考慮したカラー画像領域分割手法を開発する。さらに、この領域分割手法をカラー画像データベース検索や情景解析・物体認識に応用する。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 高橋圭子、阿部圭一: "ISODATAクラスタリング法を用いたカラー画像の領域分割"電子情報通信学会論文誌. Vol.J82-D-II,No.4. 751-762 (1999)
-
[Publications] K.Takahashi,T.Sugiyama and K.Abe: "Region Segmentation of Color Images Base on ISODATE Clustering Method with Image Space Information"Proc.of the Fourth Asian Conference on Computer Vision (ACCV2000). Vol.I. 216-221 (2000)
-
[Publications] 松浦正樹、高橋圭子、杉山岳弘、阿部圭一: "ISODATA法を用いたカラー画像の領域分割のための人間の色知覚に近い色空間の選定"第59回情報処理学会全国大会講演論文集. (2). 259 (1999)
-
[Publications] 萩本憲俊、杉山岳弘、阿部圭一、佐治斉、中谷広正: "色と動き情報を用いた人物の腕の動作追跡"電子情報通信学会技術報告. PRMU99-104 (1999)
-
[Publications] F,Yamana,T.Sugiyama and K.Abe: "Edge Plane Detection in Spatio-Temporal Images by Using Edge Vector and Edge Reliability"Proc.of Joint International Conference on Advanced Science and Technology (JICAST'99). 160-163 (1999)
-
[Publications] 高橋圭子、松浦正樹、杉山岳弘、阿部圭一: "人間の色分類結果に基づいた色空間の比較評価"電子情報通信学会技術報告. PRMU99-241 (1999)