2000 Fiscal Year Annual Research Report
地形図画像からの高精度数値標高モデルの自動作成とその応用
Project/Area Number |
11680409
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
渡邊 孝志 岩手大学, 工学部, 教授 (50133905)
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Keywords | 数値標高モデル / DEM / 等高線 / 補間 / 地形図 / 画像処理 / ボロノイ図 |
Research Abstract |
本年度は,前年度までの研究成果に引き続いて,実際の使用に供し得る実用化システムの開発を主目的として,特に,次の2項目に関して研究を進めた。 1.多数の適用実験を踏まえて,実用化システムに組み込む各種処理アルゴリズムの性能改善を行う。 2.システムとしての統合化を行い,ユーザ・フレンドリーなトータルシステムとしての実現を図る。 まず1.については,前年度に引き続いて,開発済みのパイロットモデルを多数の地形図に適用して問題点を洗い出した。その結果,標高値が付与された等高線群からDEMを生成する補間法に関して,これまで十分だと考えられていた既存手法についても実用上はまだ問題点があることが判明した。そこで,全く新たな発想に立つ補間手法として単調関数補間を開発した。評価実験の結果,単調関数補間は,(1)補間精度が高い,(2)多項式補間などに見られる不自然な瘤や凹みを生じない,(3)モルフォロジー補間などと違って等高線付近でも滑らかさを失わない,という優れた特徴を有する手法であることを確認した。また,正則化法に基づいたDEM生成法としてGrimson法を選び,評価実験を行った。その結果,単独では膨大な処理時間を要して実用的とは言えないが,単調関数補間と併用することで実用的な補間手法となり得ることを見出した。その他,パイロットモデルを実用化システムとするために,各種の適用実験を実施して処理アルゴリズムの性能改善を継続中である。 次に2.については,前年度に引き続いて,グラフィック・ユーザ・インターフェイス(GUI)を駆使したユーザ・フレンドリーな処理システムとしての具体的実現として,人間のパターン認識能力を効果的に利用した高機能な接続復元処理の改良を実施した。
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[Publications] 古舘守通: "数値標高モデルの生成に用いる補間手法の性能評価"GIS-理論と応用(地理情報システム学会誌). 8・1. 29-38 (2000)
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[Publications] 土村陽子: "正則化法による数値標高モデルの反復的生成とその性能評価"平成12年度電気関係学会東北支部連合大会. 153 (2000)
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[Publications] 古舘守通: "単調関数を用いた新しいDEM生成補間法"地理情報システム学会講演論文集. 9. 371-374 (2000)