類似検索のための圧縮データからの特微量抽出

1999 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 11680413
• Research Institution: The University of Electro-Communications
• Principal Investigator: 星 守 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 教授 (80125955)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 大西 建輔 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助手 (00303024) ; 大森 匡 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助教授 (30233274)
• Keywords: マルチメディアデータベース / 内容に基づく類似検索 / 索引生成 / 特微抽出 / MPEG-4 / audio / TwinVQ

Research Abstract

マルチメディアベースでは、マルチメディアデータをどのように効率良く圧縮し、目的のデータをどのように簡単に検索するかにが重要な課題となる。現在、マルチメディアデータの流通は、ほとんどが圧縮されたデータがほとんどであるのにも関わらず、内容に基づく類似検索に必要な特微量の抽出は、原データすなわち圧縮データをデコードし原信号に復元し、行なわれる。効率的な内容に基づくマルチメディアデータの検索を行なうためには、圧縮されたデータから索引となる特微量を直接抽出する技術が必要となる。
本研究では、楽音圧縮のMPEG-4/audioの1つであるTwinVQを対象として、TwinVQ圧縮データを音声信号に復元すること無く、圧縮データからの特微量抽出を行なう。ただし、目標となる特微量の要件として、圧縮時の圧縮レートであるビットレートに対して依存しない特微量であることが望ましい。すなわち、低品質圧縮データでも高品質圧縮データでも検索可能な索引空間を生成することができる特微量を目標とする。
本研究では、TwinVQの圧縮過程で使用される自己相関分析に着目した。自己相関分析で出力される自己相関係数が圧縮過程では、理論的かつ実験的にビットレートに対して依存しない特微量であることを確認した。この自己相関係数は、圧縮データのLSPパラメータから算出が可能であり、算出のための計算誤差は高々数パーセントであることを実験で確認した。
しかし、LSPパラメータには量子化誤差が含まれており、この量子化誤差の影響が、検索精度を下げていることが分かった。本研究では、量子化誤差の影響を回避し精度良い検索を行なうために、圧縮データが時系列で抽出できることに着目し、時系列特微量に変換することにより、より精度の良い検索を可能にした。
以上のことより、TwinVQ圧縮データから直接抽出される自己相関係数が、ビットレートに依存しない類似検索のための特微量として使用できることを示した。

Research Products

• [Publications] 墳崎、小早川、大西、星、大森: "ビットレートの異なるTwinVQオーディオデータの類似曲検索のための特微量"情報処理学会第59回全国大会講演論文集. 分冊3. 53-54 (1999)
• [Publications] 平方、小早川、星、大森: "ウェーブレット変換を用いたテクスチャ検索のための質問画像の生成法"情報処理学会第59回全国大会講演論文集. 分冊3. 163-164 (1999)
• [Publications] M.KOBAYAKAWA,M.HOSHI,T.OHMORI: "Interactive Image Retrieval based on Wavelet Transform"Proceedings of SCI'99 and ISAS99. vol6. 76-85 (1999)