1999 Fiscal Year Annual Research Report
検索文献情報の概念的扱いを可能にする電子図書館のためのユーザインタフェース設計
Project/Area Number |
11680419
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
伊藤 哲郎 大分大学, 工学部, 教授 (30029558)
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Keywords | 電子図書館 / 情報検索 / ブラウジング / 概念階層 / 多義性の処理 |
Research Abstract |
自由な言葉で質問でき,整理された情報空間をブラウジングながら要求に合致する文献を探せる,電子図書館のためのユーザインタフェースの設計・製作を目指した。これには,(1)質問や文献を概念的に扱う機構と,質問・文献相互間の概念的な関係を反映した(2)仮想の情報空間をブラウジングする機構を作って対処した。 1番目に関連して,専門分野(計算機科学と医学分野)の文献とそこでの概念体系(CRカテゴリー体系、MeSHシソーラス)を準備した。質問や文献中のキーワードを概念体系中の語で再表現した状況で,質問と文献間の関連性を数量化する方法を定式化した。このとき,キーワードが多義性を持つ場合,どの概念語に置き換えるかが問題となる。ここでは,概念語による表現中で,検索効率を低下させる概念語を一塊でうまく取り除く方法を開発し,有効性を検証した。次いで,この方法をインターネット上の一般的な記事に適用した。概念体系としては,それぞれWordNet(英文記事用)とEDR発行の概念辞書(和文記事用)を用いた。この場合は,良い結果は得られなかった。理由は,これら辞書が言語解析用として作られているためと思われる。現在,どのような場合でも概念的検索が可能となるよう,検索用辞書の自動作成法を検討している。 2番目に関連して,研究者が提案してきているAclブラウジング法を適用した機構とし,このブラウジングを視覚的に行えるユーザインタフェースを,現実の図書館に習って実現した。具体的には,文献をそれら相互間の概念的な関連性をもとに線形順序付けておく。ブラウジング時は,質問との概念的に関連性が大きい文献を含むクラスタおよび,その隣接クラスタを逐次調べるという形である。この機構の有効性をシミュレーションによって示したところで,今後,WWWを介しても働くよう改良する。
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[Publications] 山下玲*: "On Management of Semi-Structured Data for Information System Development"Proc.5th International Conference on Information Systems Analysis and Syntheris. Vol.2. 63-67 (1999)
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[Publications] 鈴木雄清: "文献の線形順序づけに従う電子図書館構築のためのユーザインタフェース設計"電気関係学会九州支部連合会大会講演論文集. 710 (1999)
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[Publications] 鈴木雄清: "文献の線形順序づけに従う効率的なブラウジングのためのユーザインタフェース"情報処理学会全国大会講演論文集. Vol.3. 9-10 (2000)
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[Publications] 中島誠: "概念的情報検索における索引づけのための多義性の扱い"情報処理学会全国大会講演論文集. Vol.3. 95-96 (2000)