2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11680434
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山下 英明 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (30200687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石塚 陽 上智大学, 理工学部, 助教授 (90176206)
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Keywords | ブロック生産方式 / 一人一品生産方式 / 多品種少量生産 / 性能評価 / 最適化 / 待ち行列モデル / サンプルパス最適化 |
Research Abstract |
今年度は、最終年度として,ブロック生産方式のコンセプトを取り入れた生産システムをモデル化し,取り組むべき問題を明確にし,その問題の解析方法を構築した.具体的な成果は以下の通り. 1.ブロック生産方式モデル化 少人数の多能工が複数の工程からなるブロックを担当するブロック生産方式と,各作業員が仕掛品を持ってすべての工程を順番に訪れて一人で完成まで仕上げる一人一品生産方式は,効率的に多少種少量生産を行う方式として注目を浴びている.本研究では,これら両方の方式を特殊な場合として含む,より一般的なシステムを待ち行列モデルによってモデル化した.このモデルを解析することによって,ブロック生産方式や一人一品生産方式の設計時における構成要素の設定に関する定性的な方式を得ることができる. 2.最適化問題の定式化 工場見学によって,システムのスループット,平均仕掛品在庫,単位時間あたりに要する作業員のためのコストが重要な要因であることが判明した.具体的には,次のような問題を考える. ・一定値以上のスループットの制約のもとで,平均仕掛品在庫を最小にするように,作業員数を固定してぶろっくの構成と作業員の割り当てを決定する問題 ・一定値以上のスループットの制約のもとで,単位時間あたりの作業員と仕掛品在庫のコストを最小にするように,ブロックの構成と作業員の総数およびその割り当てを決定する問題 3.解析方法の研究 上述の問題を解析するためには,従来の待ち行列モデルの解析手法では問題の解析が難しいと考えられる.これに対して,我々は最近提案されたサンプルパス最適化の研究を進め,この方法が幅広いモデルに対して有効であることを明らかにした. 4.最適化問題の解析結果 本研究によって,スループットと平均仕掛品在庫の間にトレード・オフの関係があるだけでなく,加工時間の変動係数の値によってシステムの最適な構成が大きく影響を受けることが判明した.
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[Publications] 石塚陽, 山下英明: "サンプルパス最適化の確率的離散事象システムへの適用"オペラーションズ・リサーチ. 46巻4号. 195-201 (2001)
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[Publications] Hideaki Yamashita: "Analysis of Dispatching Rules of AGV Systems with Multiple Vehicles"IEE Transactions. Vol.33. 889-895 (2001)
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[Publications] 山下英明, 石塚陽: "ブロック生産システムのモデル化と解析"待ち行列理論とその応用:未来への展望. 134-140 (2002)