1999 Fiscal Year Annual Research Report
一般化樹形回帰モデルによる大規模データからの情報抽出に関する研究
Project/Area Number |
11680437
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
関 庸一 群馬大学, 工学部, 助教授 (90196949)
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Keywords | 樹形回帰分析 / サービス量分布 / MDL規準 / 分岐規準 / 交互作用効果 / 線形回帰 |
Research Abstract |
本研究では、経営管理上発生する意思決定問題のうち、大規模データから、意思決定に有効な情報を得るための統計的方法論の開発を扱っている。特に、大規模データに対する解析として最も必要が高いと考えられる、データの自動層別を行うモデルとして樹形回帰モデルを取り上げ、以下の点について一般的な場合に拡張する推定方法の提案/開発を行なった。 1.目的変量の確率分布に関する拡張 これまでの樹形回帰分析では目的変量が正規分布する場合のみが検討されてきているが、これはサービス時間のように負の値を取らないデータに対しては、厳密に適用できない。サービス量に適合する分布として、ポアソン複合指数分布を検討し、樹形モデルの各リーフにおいて、目的変数がこの分布に従う場合について、対応する数値計算法を開発した。 2.加法的な変量の利用を許す一般化 目的変量の残差を保持する算法を開発することで、各決定節での説明変量の目的変量への効果がそれ以下の部分木において共通であれば、線形回帰項として決定節に採用を許す算法を開発した。この際、分岐変数の選択基準として、交互作用効果の大きさを基準とした木の成長法を採用することにより、従来の樹形回帰モデルに比べ、単純な分岐で多様な効果を推定することを可能とした。 来年度への課題としては、提案アルゴリズムの計算量の低減が挙げられる。計算量は問題規模とともに急速に増える。そこで、算法の検討とともに、推定結果の良さを失わないようなモデルクラスの制限方法も合わせて検討を進め、提案法を改良することが課題となる。また、提案法を、厚生省病院管理研究所と共同研究中の介護保険法関係の要介護度決定のためのデータに応用し、従来の方法に対して改良モデルを提案することが課題となる。
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