1999 Fiscal Year Annual Research Report
価格競争におけるブランド間非対称性の消費者行動論的 原因究明
Project/Area Number |
11680439
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
阿部 誠 東京大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (70302677)
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Keywords | ブランド選択 / スキャナーパネル・データ / 消費者行動 |
Research Abstract |
本研究は2年計画の初年度のため、11年度の実績は以下である。 1.非対称価格競争の文献レビュー 2.現存の説明モデルの弱点を指摘 3.仮説の立案 4.改善した理論モデルの展開 5.パネルデータのクリーニングとその記述的予備分析 Blattberg and Wisniewski(1989)の提案した第1番目の消費者選考の異質性効果による説明は、未だ世帯レベルのデータでは確認されておらず仮定の域を超えていない。当研究者は新しいノンパラメトリック手法を提唱してその技術的な複雑さを乗り越える。所得効果による説明(Allenby and Rossi 1991)は理論モデルに大きな弱点がある。その弱点を指摘した上で、それを改善したモデルをつかって所得効果が弱いことをパネルデータで実証することが課題である。そのためには、幾つかの商品カテゴリーの消費者購買パネルデータをマーケティング・リサーチ会社から購入して、新しいノンパラメトリック手法をMATLABというコンピュータ言語でプログラムする必要がある。 1〜4に関しては、アメリカのシラキュースで開かれた1999年マーケティング・サイエンス大会にて発表し、他のマーケティング・サイエンスの研究者からのフィードバックを得た。 また、この研究に必要なバーコード・スキャナーでマーケティング・リサーチ会社がスーパー等から集めた世帯別の消費者のブランド選択データ(パネルデータ)を2000年3月に渡米した時に入手した。 現在はステップ5のデータクリーニングを行っている。 来年度はこのデータに基づいて、統計的仮説検証を行う計画である。
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