1999 Fiscal Year Annual Research Report
コンテクスト依存型アクターモデルによる政策形成過程のシミュレーション実験
Project/Area Number |
11680442
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
坂野 達郎 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助教授 (40196077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜井 成一郎 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教授 (20202088)
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Keywords | エージェント / 意思決定 / コンテクスト / 交渉 / 意味解釈 / キューバミサイル危機 |
Research Abstract |
本年度予定されていた作業は、分析対象となる事例の選定と分析、ならびにエージェントの基本設計である。事例の選定にあたっては、意思決定当事者の回顧録など、豊富な情報が利用できるものである必要があるが、ここでは、政策形成過程分野における重要な業績である GRAHAM T.ALLISON の ESSENCE OF DECISION(邦訳:決定の本質 キューバミサイル危機の分析)を主要文献とする、いわゆるキューバミサイル危機における米国政府の意思決定シナリオとした。ESSENCE OF DECISIONでは、3つの異なる分析方法によって政策形成過程が検討されており、本研究で必要な意思決定イシューとその意味解釈を抽出する事例としてふさわしいと判断した。また、エージェントの基本設計としては下記の条件に留意しつつ、作成した。 1)コンテクストの自立的切り分けが可能なこと、 2)意味解釈を機能として保有すること、 3)交渉(通信)を行う機能を保有していること。 4)エージェント毎の異なる知識の保有が可能な設計。 また、それぞれのエージェントは並列論理型言語を用いて実装しており、言語の持つ通信機能を利用して交渉の実験環境を構築するようになっている。 以上が今年度の本研究の実績の概要である。実際の実験については、次年度を予定している。
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