2000 Fiscal Year Annual Research Report
コンテクスト依存型アクターモデルによる政策形成過程のシュミレーション実験
Project/Area Number |
11680442
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
坂野 達郎 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助教授 (40196077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜井 成一朗 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教授 (20202088)
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Keywords | エージェント / 意思決定 / コンテクスト / 交渉 / 意味解釈 / キューバミサイル危機 |
Research Abstract |
本年度の作業としては、前年度に設定した基本機能を有するエージェントに、「決定の本質キューバミサイル危機の分析」を利用した文献分析を行った事例における、各アクターの知識を実装し、さらにそれをマルチエージェントによる実験を行う事を予定していた。実験結果により、コンテクストに応じた多義的な意味理解を行う複数の意志決定主体の相互作用過程を分析し、最終的にコンテクストをコントロールすることにより、合意形成への与える影響を分析するものである。 基本的な文献分析は昨年度ほぼ終了していたがその知識量では、エージェント系に搭載され、実験が可能となる知識量に不足することが、最初の実装により判明した。そこで、コンテクストの切り分け方について、いくつか代替案を出して検討した。さらに前述の文献以外の文献を利用した知識量の積み増しを試みたが、適切な文献を発見することが出来なかった。 結果として、昨年度設計したエージェント系では、十分な実験が行えなかったため、今年度の作業の大半を、コンテクストの定義とその切り分け方についての検討と、それに基づくエージェント設計の試行錯誤に費やしてしまう結果となった。今回はマルチなアクターがそれぞれ独自の個性をもつ政策決定過程を想定していたが、実装の結果、マルチなアクターが意味理解を行うためには多くの環境認識が必要であることが判明した。そこで現状では、対象となる政策形成(意思決定)過程の見直しも含め、製作したマルチエージェント環境を利用して、いかにシミュレーション実験を行うかという観点から、方法論を検討している。
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