2000 Fiscal Year Annual Research Report
セル生産方式の最適構成とその評価法に関する数理的研究
Project/Area Number |
11680447
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Research Institution | KOBE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
森田 浩 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (60210176)
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Keywords | 包絡分析法(DEA) / 確率的DEA法 / 生産効率性 / セル生産システム / 作業者能力 / 作業者配置問題 |
Research Abstract |
生産効率性の評価に関する研究では、生産効率性のための評価手法として確率的DEA法の開発とその特性解析を行った。需要予測などの不確実要因に対応できる評価手法として確率的DEA法は必要不可欠なものであり、以下のような研究成果が得られた。 1.繰り返し測定によって得られたデータに基づいた効率性分析のためのリコース付きDEAモデルとその解法アルゴリズムを開発した。データのもつばらつきを考慮に入れた効率性分析を行うことができ、最適セル構成問題の評価へ適用することが可能となった。 2.確率的フロンティア理論との対比により、不確実状況下で生産性変化や技術変化などの評価指標を推定する際に受ける影響の大きさについて解析を行った。そこでは不確実要素に対するロバスト性の検証を定量的に行い、適用の場面に関する知見を得た。 最適セル構成法に関する研究では、作業者特性に応じた作業者は位置問題について考察した。セル生産方式は作業性を高めることで生産性や効率性を高くすることができるというものであり、そのためには人間中心の・作業環境を整え作業に対するモチベーションを高める必要がある。そこで平成11年度に行った研究で構築したネッワークモデルによる生産セル構成問題に、人や機械の能力差を付加するための拡張を行ったものであり、以下のような研究成果が得られた。 1.作業者の生産性を決める特性(能力、経験、教育など)を表現するための指標の整理を行い、そのモデル化を行った。 2.ネートワークモデルにより作業者配置問題を表現し、作業者の能力差を考慮した作業者配置を与えるための解法アルゴリズムを開発した。 生産効率性の評価手法としての確率的DEA法の開発ができたことにより、生産セル構成の評価に適用することが可能となった。今回の研究では2つの研究テーマそれぞれで成果を見ることはできたが、実証研究としての最適セル構成の評価には至ることができなかった。今後、これらを結び付けて、最適セル構成を見つけるための一連の手続きとして示すことをしなければならない。
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[Publications] 林崇文: "確率的フロンティアと包絡分析法による技術変化の評価とその比較"平成12年度日本オペレーションズ・リサーチ学会秋季研究発表会. (2000)
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[Publications] Hiroshi Morita: "An Experimental Study of Efficiency Change Evaluation : The Stochastic Frontier vs. DEA"Institute for Operations Research and Management Science (INFORMS) meeting 2000, San Antonio. (2000)
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[Publications] 宮後謙太郎: "作業者の能力差を考慮した作業者配置に関する研究"日本機械学会FA部門講演会. (2001)