2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11680452
|
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
石塚 陽 上智大学, 理工学部, 助教授 (90176206)
|
Keywords | 階層的最適化問題 / 最適性条件 / 双対性 / DC関数 / 生産システム / 2次錐計画 |
Research Abstract |
階層的最適化問題に関する成果は以下の2つに大別される。 1.理論的結果:一般の階層的最適化問題(2レベル最適化問題)の最適解の定義、1次および2次の最適性条件(特徴づけ)、双対表現 2.応用・解法:階層的最適化問題の特別な場合として、最大化操作を含む最適化問題の生産システムの最適設計問題への適用とその数値解法の構築 理論的結果としては、一般の位相空間上の階層的最適化問題を定式化し、その最適性条件を誘導した。ここでは、下位レベルの最適応答写像の1次および2次の微係数(Contingent Derivative)が既知であることを仮定し、通常の非線形計画問題におけるKKT条件および2次の最適性の必要性条件および十分条件を導いた。これらの条件は本質的に局所的なものである。問題に含まれる関数の凸性を仮定し、大域解を特徴づけるものとして共役関数を用いた最適解の双対表現も得た。これは、たとえ問題に含まれる関数が凸であっても階層的最適化問題全体としては非凸最適化問題となるため、通常の凸計画法における双対理論は適用できないが、ここではDC(Difference Convex)関数の非凸不等式系に対するFarkas型の定理を誘導し、それにより大域的最適解の特徴づけを行ったものである。 応用・解法に関しては、単調な離散事象システムは最大化操作を含む漸化式で表現されることから、その最適設計問題は最大化操作を下位レベルに含む特殊な階層的最適化問題に定式化できることに着目し、具体例としていくつかの生産システムの最適設計問題をとりあげその数値解法を構築した。特に、生産効率最大化を目的とした加工容量の各工程への最適配分を決定する問題が2次錐計画問題として定式化できることを示し、その解法を与えた。 以上1の理論結果に関しては発表準備中であり、2の生産システムへの応用に関しては国際会議(ICPR-16)および論文(日本経営工学会論文誌,Vol.52)で発表済みである。
|
Research Products
(1 results)