1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11680460
|
Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
猪原 正守 大阪電気通信大学, 情報工学部, 教授 (40184791)
|
Keywords | 因子分析モデル / 事後層別 / 横断的データ |
Research Abstract |
多母集団からのデータに対する線形構造方程式モデルの不変性に関する研究の第一歩として、平成10年度から取り組んできたL_<27>直交表による実験計画法と因子分析法との融合による解析について研究してきた。 従来は、直交表によって生成された27枚の商品試作パッケージの各々に対する12個のアンケート項目を110名の被験者によって評価させることで得られた平均値データ行列(27×12)を因子分析法によって解析することで、12変数(項目)の相関関係を説明する構成概念(潜在因子)を抽出し、得られた27個のパッケージの因子得点を直交表の実験データと考えることで、構成概念(ここでは、ユーザーニーズと考えている)に対する設計因子の効果を把握する方法を提案してきた。 本年度は、異なる2種類の商品群に対して、すなわち異なる2母集団に対して上記の方法を適用した場合の因子構造の不変性、因子パターン行列の不変性を研究対象とし商品群が異なった場合にも因子構造や因子パターン行列は不変に保たれるが、商品群によって有意となる設計因子が異なることを明らかにした。次年度は、この実験を2母集団の異なる時刻における調査に拡大し、横断的且つ縦断的データにおける因子構造の不変性などについて研究を拡大することを考える。 さらに、これまでMeredith(1964)に始まり、Skinner(1983)、Bloxom(1989)、Meredith(1993)などによって研究が進められてきた事後層別データに対する因子分析モデルの不変性について、観測変数ベクトルの一部の内部変数によって生じる部分母集団において因子分析モデルが不変性を保持するための返要条件と十分条件を解析的に明らかにすることに成功すると同時に、得られた因子分析モデルの誤差分散が不適解(負値)となる可能性を明らかにした。
|