1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11680475
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
釜井 俊孝 日本大学, 理工学部, 講師 (10277379)
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Keywords | 都市 / 防災 / 人工斜面 / 宅地 / ハザードマップ |
Research Abstract |
1995年兵庫県南部地震(阪神大震災)の被災地域である西宮市〜神戸市、1978年宮城県沖地震で被害を受けた仙台市西南部、及び将来の被害が予測される東京西南部〜横浜市北部の3地域について、近代都市形成以前と以後の2時期の詳細な数値地形モデル(DEM)を作成した。次に、これらのラスターデータ間の演算を行い、差分図を作成した。この差分図を現地調査によってチェックし、人工地形改変地の分布を調べた。こうして、抽出した人工地形改変域(盛土域)の周縁をベクトル化し、宅地盛土分布図を作成した。ついで、面積、形状比等の地形的特徴を計測し、盛土域に関する形状データセットを作成した。このデータセットは原則として2m間隔の等高線の数値化に基づいており、平成10年度以前に作成されたデータセットと比較して、精度は著しく向上した。今後は、このデータセットについて分析を行い、被害の有無を判別する予測モデルを作成する予定である。 さらに、本年導入した、地震応答解析ソフトウェアを使用し、盛土形状と地震動の増幅特性の関係を検討した。その結果、盛土底面のせん断歪みは盛土の形状によって大きく異なることが判明した。すなわち、お椀状の断面形状の盛土はV字状の盛土に比べて底面のせん断歪みが大きく、すべり面の連結が容易であるため、大規模な変動が発生しやすいものと推定される。これは、1995年の兵庫県南部地震における災害事例と良く一致する結果である。したがって、断面方向の幅/深さ比は、盛土の変動を左右する重要な要因であると考えられる。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Toshitaka KAMAI, Yoshiyuki KOBAYASHI & Haruo SHUZUI: "Slope instability of large embankments in residential areas caused by the Hyougoken-nanbu Earthquake,1995"Slope Stability Engineering (Proc, Int, Symp, Slope Stability Engineering),. 565-570