2000 Fiscal Year Annual Research Report
大強度相対論的電子ビームからのサイクロトロン超放射の実験的検証
Project/Area Number |
11680480
|
Research Institution | Kanzawa University |
Principal Investigator |
鎌田 啓一 金沢大学, 理学部, 助教授 (90143875)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 利得 金沢大学, 理学部, 助教授 (80212679)
|
Keywords | 大強度相対論的電子ビーム / 超放射 / 電子サイクロトロンメーザー / 大強度電磁波源 / 自動加速 |
Research Abstract |
高出力電磁波源としての大強度相対論的電子ビームの研究は,従来までの弱い定常ビームの延長線上で行われ,ビーム長は無限大として電磁波発生現象が取り扱われてきた。近年,ビーム長が電磁波発生のための装置長より短い場合,発生周波数が絞られ効率の良い電磁波発生機構が関与する事がわかってきた。この現象を超放射と呼ぶ。本研究では技術的に困難であった超短パルス電子ビームを多段自動加速方式により実現し,ビーム長が装置長より長い場合と短い場合の電磁波放射現象の比較検討を行い,短いビームを用いた場合に,超放射の特徴に一致する現象を観測した。 4段自動加速法式を用い,ブルームライン型パルス整形線路から射出された,パルス幅12ns,エネルギー550keVの大強度相対論的電子ビームを,パルス幅1ns,エネルギー1.1MeVまで圧縮することに成功した。この超短パルス大強度電子ビームを,一様磁場中に置かれた長さ60cmの円筒導波管中に入射したところ,ビーム速度と電磁波の群速度が一致する条件で,発生周波数の絞られた(17GHz付近)強い電磁波の出力を得た。一方,装置長より長いビームを用いた場合,多くのモードからの多数の周波数が観測された。粒子シミュレーションコードKARATを用いて,この結果がビーム長の効果であることを確認した。電磁波の出力に関する結果では,出力は距離とともに指数関数的に増大し,装置長より短いビームの場合の方が長いビームに比べ,伝搬距離に伴う出力の成長は早く,60cmの伝搬後の出力は短いビームの方が約10倍大きかった。これらの結果は超短パルス大強度電子ビームによるサイクロトロン超放射で期待されるものと一致する。更に,発生電磁波出力への電流依存性等を検証する必要があるが,超放射による大強度電磁波源への可能性は大きく前進した。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 鎌田啓一 他: "超短パルス電子ビームからの超放射実験"電子情報通信学会技術研究報告. 100巻506号. 205-218 (2000)
-
[Publications] Daisuke Hasegaura 他: "Generation of an intense electron beam with a sub-nanosecond duration using multi-stage autoacceleration."Jpn.J.Appl.Phys..
-
[Publications] Daisuke Hasegawa 他: "Energy enhancement in the two-stage autoacceleration scheme"IEEE trans.Plasma.Sci..
-
[Publications] Daisuke Hasegawa 他: "Four-stage autoacceleration for a sub-nanosecond intense relativistic electron beam"IEEE trans.Plasma Sci.. 28巻. 1648-1652 (2000)
-
[Publications] Keiichi Kamada 他: "Two-stage autoacceleration using decreasing length cavities "IEEE trans.Plasma Sci.. 27巻. 1609-1610 (1999)