1999 Fiscal Year Annual Research Report
非定常スペクトル解析法のマイクロ波反射計におけるデータ解析への適用
Project/Area Number |
11680481
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
犬塚 博 静岡大学, 工学部, 助教授 (80176411)
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Keywords | 非定常スペクトル解析法 / マイクロ波 / 反射計 / 密度分布測定 / プラズマ / FFT / ウェーブレット変換 / ウィグナー分布 |
Research Abstract |
プラズマの密度分布測定法としてマイクロ波やミリ波帯の電磁波を使う反射計が再び注目されている。そのシステムにおいては掃引信号の周波数弁別能力で分解能が決まる。従来はこの部分にマイクロ波帯のフィルタバンクが用いられてきた。しかし、フィルタの数や特性(Q)に限界があり高い空間分解能は期待できなかった。そこで、この周波数分離の部分に時間・周波数分解能を持つ非定常スペクトル解析法を用いることを試みた。定常スペクトル解析法である「高速フーリエ変換法(FFT)」・「最大エントロピー法(MEM)」、非定常スペクトル解析法である「ウィグナー分布」・「ウェーブレット変換」を用い、同一条件でそれら解析法の得失を比較・検討できるシミュレーションプログラムを製作・完成させた。 標準的な二乗分布と、コアプラズマと周辺プラズマを模擬し途中に密度の不連続点がある分布の二つのプラズマ密度分布に適用し、二乗分布の場合はどのスペクトル解析法を用いても密度の再構成が可能であるが、途中に不連続がある密度分布の場合は非定常スペクトル解析法を用いないと精度が大きく落ちることがわかった。又、予め計算前に設定することが必要とされるパラメータも、定常スペクトル解析法の場合は極狭い範囲でしか精度が上がらないのに対し、非定常スペクトル解析法の場合は比較的鈍感で許容範囲が広いことが明らかとなった。しかし、ウィグナー分布の場合は偽のピークを発生させるクロス項の影響の抑制を行わないと実用にならないことも確認され、クロス項抑制法の適用も試みた。 以上の成果を、プラズマ・核融合学会、電気学会等で報告した。又、非定常スペクトル解析法をプラズマ実験のデータ解析に適用した例をいくつか論文として発表した。
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[Publications] Hiroshi Inuzuka: "Chaotic Lower Hybrid Fluctuations during the Anomalous Resistivity Phase of a High-voltage Linear Plasma Discharge"Journal of Plasma and Fusion Research. Vol.2. 443-446 (1999)
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[Publications] Yasumasa Takeda: "Anomalous resistivity caused by nonlinear lower hybrid waves in a high-voltage linear plasma discharge"Physics Letters A. Vol.265.No.4. 282-287 (2000)