2000 Fiscal Year Annual Research Report
トカマクとステラレータの安定化に対する磁気シアーと速度シアーの複合効果の研究
Project/Area Number |
11680483
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
若谷 誠宏 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (00109357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜口 智志 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (60301826)
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Keywords | トカマク / ステラレータ / ヘリオトロン / 不安定性 / 磁気シアー / 速度シアー / 負磁気シアー / ケルビン・ヘルムホルツ不安定性 |
Research Abstract |
トカマクにおける負磁気シアー配位、あるいはステラレータにおける有限圧力の無電流平衡配位では、磁気シアーがゼロの面(ゼロシアー面)があり、その両測でゼロシアー面から離れるにつれて、磁気シアーが強くなっている。本研究はこのような配位において不安定となるMHDモードとしてインターチェンジモード、およびドリフト波として温度勾配駆動型モードに注目して非線形発展を数値シミュレーションにより調べた。得られた結果を一般化してまとめると次のようになる。 (1)初期には、ゼロシアー面を中心に不安定性が成長し、非線形モード間結合が問題となるようなレベルまで揺動が成長する。(2)揺動スペクトルの逆カスケードにより、ポロイダル方向には波数がゼロであり、径方向には波数が有限である揺動成分に揺動エネルギーが蓄積される。この成分は最近帯状流(zonal flow)と呼ばれている強い速度シアーを持つポロイダル流に対応する。(3)逆カスケードにより帯状流の揺動エネルギーが増大し、あるレベルに達すると、この帯状流によりケルビン・ヘルムホルツモードが不安定になる。(4)帯状流がケルビン・ヘルムホルツモードにより破壊されると、揺動レベルが再び増大し、揺動がより磁気シアーの強い両側の領域に伝搬する。(5)再び揺動スペクトルの逆力スケードにより帯状流が形成される。(3)と異なる点は、磁気シアーがより強い領域に帯状流が移動したことである。(6)ケルビン・ヘルムホルツモードは、磁気シアーにより安定化されることはあまり知られていないが、磁気シアーによる安定化は効果的である。磁気シアーがより強い領域では、帯状流が簡単に破壊されなくなり、維持されるようになる。(7)最終的には、帯状流が、ゼロシアー面から離れた有限の磁気シアーを持つ領域に形成され、同時に揺動レベルとそれによる異常輸送が抑制された状態に到達する。 以上のような乱流輸送抑制機構が負磁気シアー配位における内部輸送障壁の形成に寄与すると考えられる。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] M.Furukawa: "Ideal and resistive interchange instabilities in negative shear tokamaks and currentless heliotoron plasmas"Nuclear Fusion. 39. 2077-2081 (1999)
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[Publications] M.Wakatani: "Behavior of Interchange Mode in Heliotron and Tokamak"J.Plasma and Fusion Research. SERIES2. 39-42 (1999)
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[Publications] M.Furukawa: "Tokamak Equilibria with Toroidal Flows"J.Plasma and Fufusion Research. 76・9. 937-948 (2000)
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[Publications] Y.Idomura: "Gyrokinetic theory of slab electron temperature gradient mode in negative shear tokamaks"Physics of Plasmas. 7・6. 2456-2468 (2000)
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[Publications] Y.Idomura: "Stability of E×B zonal flow in electron temperature gradient driven turbulence"Physics of Plasmas. 7・9. 3551-3566 (2000)
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[Publications] M.Wakatani: "Study of a helical axis heliotron"Nuclear Fusion. 40. 569-573 (2000)
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[Publications] K.Nishikawa: "Plasma Physics (3^<rd> edition)"Springer. 342 (2000)