1999 Fiscal Year Annual Research Report
粒子シミュレーションによる反応性プラズマダイナミクスの解明
Project/Area Number |
11680484
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
浜口 智志 京都大学, 大学院・エネルギー科学研究科, 助教授 (60301826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若谷 誠宏 京都大学, 大学院・エネルギー科学研究科, 教授 (00109357)
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Keywords | プラズマプロセス / PIC-MCC / RF放電 / 粒子シミュレーション |
Research Abstract |
反応性プラズマを用いた薄膜形成・表面加工技術(プラズマプロセス)は、半導体から液晶ディスプレイにいたる最先端エレクトロニクスを支える基盤技術である。本研究ではセル内粒子法(Particle-in-cell)とモンテカルロ衝突(MCC)法に基づいた粒子シミュレーションをもちいて、半導体製造過程などで用いられるプラズマプロセス装置のプラズマダイナミックスを解明すること目的としている。プロセス用プラズマは一般に不完全電離で、イオン化率は電子の速度分布関数に依存するため、電子速度分布の変化がプラズマの生成効率を通して、プラズマダイナミックス全体に影響する。また、本研究では、現在のところArプラズマのみを取り扱っているが、もっと一般のガス種の場合、プラズマ中の各種の化学反応も同様にプラズマの物理的性質に影響を与える。本研究で用いるPIC法は、電子速度分布関数等を正確に求めるのに適しており、Monte Carlo法は化学反応速度などを反応断面積などの基礎的なデータから正確に指定できるため、反応性プラズマのシミュレーションには最適である。本年度の研究で、我々は、平衡平板タイプの容量性結合型RF放電によるArプラズマを2次元円筒対象形状でシミュレーションできるPIC/MCCシミュレーションコードを開発した。衝突に関しては、電子と中性Arガスに対して電離、励起、弾性衝突を考慮し、また、Arイオンに関しては荷電交換を考慮してある。現在のところ、中性ガスは室温で一様分布していると仮定している。中性ガスの圧力が低くなるにつれて、電子温度の加熱機構が、オーム加熱から非衝突加熱機構にうつり、二重Maxwell分布を示すことがシミュレーションで観測された。
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