1999 Fiscal Year Annual Research Report
重水素-ヘリウム3核融合直接エネルギー変換のためのエネルギー選別に関する研究
Project/Area Number |
11680498
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
八坂 保能 京都大学, 工学研究科, 助教授 (30109037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨田 幸博 京都大学, 核融合科学研究所, 助教授 (40115605)
久保 寔 京都大学, 工学研究科, 助手 (80089127)
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Keywords | 核融合 / ヘリウム3 / カスプ磁場 / 直接エネルギー変換 / エネルギー選別 |
Research Abstract |
本研究は、ヘリウム3燃料核融合反応出力を直接電気エネルギーに変換する新しい方式であるカスプ型-進行波型直接エネルギー変換器において、入力プラズマ流の電荷分離とイオンエネルギー選別を行う分離・選別器の動作を原理的に実証し、その動作特性を明らかにして、後段の直接エネルギー変換器との整合性を吟味することを目的としている。本年度は、従来の標準カスプ磁場による方式に対し、傾斜カスプ磁場を用いる新しい分離・選別器を採用した基礎実験装置の製作とそれによる初期実験、および基礎実験装置における電荷分離作用に関する数値シミュレーションを行った。1.2〜8keVのイオンビーム源をガイド磁場付き真空容器に取り付け、別に発生させたヘリウムプラズマを混合して重水素-ヘリウム3核融合プラズマを模擬した低エネルギープラズマ流を生成し、これを傾斜カスプ磁場発生装置を用いて構成した分離・選別器に流入させ、電子・イオンの分離並びにイオンエネルギー選別実験を行っている。傾斜カスプ磁場では、従来型よりも▽Bが大きいので静電力に抗して電子をラインカスプ側へ、イオンをポイントカスプ方向へ分離して導く能力が大きいと期待される。2.基礎実験装置の傾斜カスプ磁場中における電子・イオンの運動方程式とポアッソンの式を連立して解く2次元の数値シミュレーションを行った。磁場強度が大きい場合には、入射半径の大きいイオンはカスプ磁場を通過することができないが、磁場の弱い場合はほぼ100%通過しポイントカスプへ導かれる。一方電子はどちらの場合も磁力線に沿ってラインカスプ方向へ流出する。また、入射イオンのピッチ角が大きくなるとラインカスプ方向へ漏れるイオンが増える。これより、電荷分離のための最適磁場条件が存在することが分かった。
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Research Products
(1 results)