2000 Fiscal Year Annual Research Report
タングステン被覆ダイバータ板モジュールの熱負荷特性及びそれに及ぼす粒子照射効果
Project/Area Number |
11680500
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
徳永 和俊 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (40227583)
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Keywords | プラズマ・壁相互作用 / タングステン / 炭素材 / 高熱負荷 / 水素同位体 / ヘリウム / 高熱流束機器 / ダイバータ板 |
Research Abstract |
本年度は、2年計画の最終年度で、特に、粒子照射効果に関する研究を行った。下記に概要を述べる。 東洋炭素(株)製の等方性黒鉛IG-430U及びフェルト状C/CコンポジットCX-2002U(CFC)(20 mm x 20 mm x 10 mm)の表面に、プラズマ溶射法(VPS法)によりタングステンを0.5mm及び1.0mmコーティングした試料を作製し、水素同位体/ヘリウム粒子照射実験を行った。水素同位体/ヘリウム照射実験は、プラズマ発生装置を用いた。照射したイオン種は、重水素及びヘリウムイオンで、エネルギーは、100 eVである。照射フラックス、照射量、試料温度は、実験条件により異なるが、それぞれ、10^<21>〜10^<22>m^<-2>s、10^<25>〜10^<26>m^<-2>及び600℃程度である。また、比較用として、粉末焼結タングステン(PM-W材)に対しても同様の実験を行った。照射後、試料を取り出し、表面形状変化を観察すると共に、熱放出実験(TDS)を行い、重水素及びヘリウムの吸蔵特性を調べた。 重水素の照射量が、7.5 x 10^<25>m^<-2>の場合、PM-W材では、直径が数μmのブリスターが形成された。重水素イオンのエネルギーが、100eVの場合、照射欠陥は発生せす、その飛程も小さく、この様に大きなブリスターは、従来研究されてきたガスイオン照射によるブリスターの形成機構では発生しない。恐らく、表面近傍に多量に注入された重水素が、内部に拡散し、何らかの原因である深さに捕捉され、バブルが形成されたことにより発生したものと考えられる。さらに照射量が増加した場合、表面が剥離することが予想され、損耗量や表面形状に影響を及ぼすことが考えられる。一方、VPS-W/CX-2002Uでは、同程度の照射量でもブリスターは形成されない。これは、表面近傍のの形態(形状、構造、組織)の違いによるものと考えられる。これらの重水素照射されたVPS-W/CX-2002Uの熱放出実験では、PM-W材と比較し、より高温での重水素の放出が観察された。これは、CX-2002U部からの重水素の放出による可能性が考えられる。
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[Publications] K.Tokunaga,T.Matsubara et.al: "Changes of composition and microstructure of joint interface of tungsten coated carbon by high heat flux"Journal of Nuclear Materials. 283-287. 1121-1127 (2000)
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[Publications] K.Tokunaga,N.Yoshida et.al.: "High heat flux test of actively cooled tungsten-coated carbon divertor mock-ups"Fusion Engineering and Design. 49-50. 371-376 (2000)
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[Publications] K.Tokunaga,N.Yoshida et.al.: "Thermal response and Material Degradation of tugsten-coated carbon divertor mock-ups by high heat flux"Journal of Plasma and Fusion Research Series. 3. 260-264 (2000)