1999 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー光放射圧による核燃料粉末の固気分離・回収システムの開発
Project/Area Number |
11680512
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大森 良太 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (10262049)
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Keywords | レーザーマニピュレーション / 光マニピュレーション / 原子炉燃料 / 核燃料 / 光放射圧 / 二酸化ウラン / 二酸化プルトニウム / 遠隔制御 |
Research Abstract |
レーザー光放射圧を利用した気流輸送中の核燃料粉末の固気分離の可能性を実証するための実験装置を設計し、基礎的な実験を実施した。光源にはアルゴンイオンレーザー(波長488mm、最大出力300mW)を用いた。はじめに、出力光をビームエキスパンダーで直径10mmの平行ビームとして照射部に導入した。照射部は透明な密閉ガラス容器でできており、空気ポンプにより試験粉末を気流にのせ導入できるようになっている。レーザー光に照射された粉末は前方に加速されて粉末回収部に到達する。照射後に、粉末回収部の様子を光学顕微鏡で観察した。次に、圧電性セラミックスを接着したスライドグラスに試験粉末をのせ、音響振動により粉末を浮遊させた後、これに顕微鏡対物レンズで集光した入射レーザー光を照射する実験体系を構築し、回収実験を行った。いずれの場合にも、試験粉末には二酸化ウランや二酸化プルトニウムと同様に可視域で吸収係数が大きい二酸化マンガン粉末(粒径数百ナノメートル-2ミクロン)を用いた。 両実験とも、回収部を光学顕微鏡で観察した結果、粉末は入射レーザー光により前方に加速され回収されていることがわかった。これにより、レーザー光放射圧による核燃料粉末の固気分離の可能性が示された。ただし、平行ビームを照射した場合には、レーザー光強度が小さいため回収量は微量であり、一方、集光ビームを照射した場合には、回収された粉末はスライドグラス上に密集していたが、回収可能領域は小さくなる。また、数値シミュレーションの結果、高い回収率を得るためには、少なくともキロワットクラスのレーザー光を照射することの必要性が示された。平成12年度からは本年度の研究成果を踏まえ、幾何光学モデルや波動光学モデルに基づく数値シミュレーション解析により、回収効率や各種パラメータの影響を解析する。
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[Publications] R.Omori: "Novel Technigne for Manipulating MOX Fuel Particles using Radiation Pressure of a Laser Light"Proc.International Youth Nuclear Congress 2000. (2000)
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[Publications] R.Omori: "Uranium Dioxide Particles Collection Using Radiation Pressure of a Laser Light in Air"Journal of Nuclear Science and Technology. 35・11. 830-832 (1998)