1999 Fiscal Year Annual Research Report
水冷型原子炉の燃料監視装置への核分裂生成物の挙動研究
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11680521
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
林 脩平 立教大学, 観光学部, 助教授 (30027437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 研一 立教大学, 理学部, 教授 (70022647)
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Keywords | 研究用原子炉 / 燃料破損検出器(FFD) / ガンマ線スペクトル測定 / Ge検出器 / 核分裂生成物(FP) / キャリヤーガス / ルビジューム-88 / セシウム-138 / ルビジューム-89 |
Research Abstract |
立教大学研究用原子炉(トリガMARK-II プール型炉)は、38年間、燃料破損もなく運転されてきている。もし万一、燃料破損が起こりそれが拡大すれば、原子炉の停止ひいては原子炉の安全性が問われる社会的問題にも発展しかねない。そこで、平成7・8年度文部省科学研究補助金を受け、燃料破損検出器(Fuel Failure Detection,FFD)の試作を行い、高感度の連続的監視装置を開発したが、この装置は、試料採取と放射能(γ線スペクトル)測定を交互に繰り返す間歇方式であり、その上、大がかりで常設出来なかった為、新たに小型化した簡易型連続FFDを現在開発中である。それには今までよりも、より感度の高い検出装置が開発される必要がある 本研究は、炉心タンク水中にキャリヤーガス(窒素ガス)を送気して、核燃料からの核分裂生成物(FP)殊に希ガス核種を抽出し、γ線検出器(Ge検出器)で計数することによって、簡易燃料FFDとしての可能性を探ってきた。本研究はそのFPの挙動が水中、ガス中で不明瞭であったため、そのFP及び壊変核種の挙動に関する基本的なデータ(燃料体からFPの水中への移行、水中からキャリアーガス(窒素ガス)中への移行及び検出器でのFPの捕集形態など)を系統的に明確にし、現在開発中の簡易燃料監視装置の最適設計に供すると共に、その基本的データは、原子炉の通常運転時の安全管理及び事故時等の安全設計(事故時の安全評価)などを資する重要なデータと成りうる。 今回は炉心タンク内実験及び計算機によるシミュレーション等により、新しいFP捕集カラム(窒素ガス注入と向流接触カラム)、キャリヤーガス流量、炉心タンク内のガス捕集位置など種々の条件を設定してデータを採取した。今回エアロゾル中に含まれる主なEP壊変生成物として^<89>Rbと^<138>Csに加えて新たに^<88>Rbの核種を検出した。
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