2001 Fiscal Year Annual Research Report
積雪寒冷地における近年の暖冬少雪傾向と流域水循環への影響
Project/Area Number |
11680522
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石井 吉之 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (40222955)
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Keywords | 多雪流域 / 流域水収支 / 経年変化 / 積雪貯留量 / 水収支モデル / 物質循環 |
Research Abstract |
(1)北海道北部の多雪山地流域では、精度の良い水文・気象観測が十数年間にわたり継続されている。これらのデータを用いて各年の流域水収支を計算し、流域貯留量の年々変動を調べた。また、気温を変数とした積雪・融雪ルーチンとタンクモデルを用いた流出・貯留ルーチンからなる流域水収支モデルを構築し、積雪貯留量の変動が流域水収支に及ぼす効果を検討した。近年、日本各地に暖冬少雪傾向があると言われるが、この地域ではそのような傾向が見られるのか、また、その場合には流域水循環にどのような影響が現れるのかを、このモデルを用いて考察した。 (2)寒冷積雪地域では冬期間中の酸性降下物のほとんどが積雪内に蓄積され、融雪初期にこれらが濃縮されて融雪水とともに流出する。このため、河川水・湖沼水のpHが一時的に急低下し、陸水生態系に深刻な影響を与えている。しかし、融雪水が地表に到達してから河川に流出するまでの過程に関する研究は、依然として不十分なままである。そこで(1)と同じ流域において、全融雪期間にわたって流域内における水及び化学物質の収支を明らかにし、その上で地中での流出過程を考察した。 (3)隣接する2つの森林小流域において融雪期の流出特性を比較した。2つの流域は面積・形状・地質・植生・土壌特性がよく類似しているにもかかわらず、土壌層に顕著な違いがあるために流出特性にもその影響が明瞭に現れた。また、土壌層が特に厚い内部小流域が流出の非ソースエリアとなるため、見かけ上は同じ流域面積でも実質的には異なることが明らかにされた。
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Research Products
(2 results)