1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11680528
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
加藤 輝隆 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (80115162)
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Keywords | 年輪年代学 / 気候復元 / 地球温暖化 / 建築部材 / ケヤキ / 年輪幅 |
Research Abstract |
富山県および岐阜県内の約220地点の寺院や神社をまわり,床板などの建築部材として用いられているケヤキの木口面の画像を携帯型スキャナーなどで記録した。また,ケヤキの伐根や剪定された枝などから円盤やコアを採取し,現生木のデータの一部とした。さらに,製材所などで乾燥中のケヤキ原木の木口面画像を携帯型スキャナーなどで記録した。現在のところ,1998年から1660年代までさかのぼる年輪が収録されているが,試料の大部分は明治以降のものに限られている。今後は,寺院や神社の修理の際に試料提供を依頼する努力をする予定である。現時点では試料数が限られているが,ケヤキの年輪幅におよぼす気象要因の影響を検討したところ,以下のような結果が得られた。 1.5月〜8月の気温は正の寄与を示す。 2.1月〜2月の気温は負の寄与を示す。 3.1月〜2月の降水量は正の寄与を示す。 4.冬季間の最深積雪量は正の寄与を示す。 以上の結果をまとめると,寒さが厳しく降雪量も多い冬の気候と,夏の高温がケヤキの肥大成長を促進するということになる。これはスギに関する解析結果と逆の方向性を示すものであるが,植物生理学的な意味については不明である。今後,試料を追加するとともに,デンドロメーターを用いた調査も含めてケヤキの肥大成長におよぼす気象要因の影響について明らかにしていく予定である。また,明治期以前の気候とケヤキ年輪幅との間の関連を検討することも目指しており,現在のところ氷見(富山県氷見市)の町役人が書き記した江戸時代末期(1827〜1859年)の日記、(『應響雑記』)から日々の気象に関する記載を取り出し,データベース化を進めている。
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