1999 Fiscal Year Annual Research Report
地域環境におけるダイオキシン類の環境動態解析に関する研究
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11680537
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 規之 金沢工業大学, 工学部, 助教授 (40196853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土佐 光司 金沢工業大学, 工学部, 講師 (00237083)
安田 正志 金沢工業大学, 工学部, 教授 (00089012)
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Keywords | ダイオキシン類 / 農薬不純物 / 大気粒子 / 粒径分級 / 水生生物 / 高速溶媒抽出 / 高分解能質量分析 / 高速液体クロマトグラフィー |
Research Abstract |
本年度は、特に水田環境におけるダイオキシン類の多媒体的な環境動態を検討することを目標として、水田地域において3地点ほどを選定し、大気・土壌、および魚類試料の採取と分析を行った。主要な検討結果は以下の通りである。 1 水田地域における大気中-土壌間の環境動態の検討 (1)水田地域では土壌中ダイオキシン類の濃度が比較的高いため、大気濃度が汚染土壌の影響を受ける可能性が考えられる。本年度は、土壌粒子の巻き上げによる大気への寄与を検討するため、アンダーセンサンプラー及びポリウレタンフォームサンプラーを用いて粒径別の大気採取を水田地域3地点において行い、ダイオキシン類を分析した。 (2)上記の結果、大気粒子中のダイオキシン類の同族体分布が粒子粒径により異なり、粒径の大きい粒子中で土壌の影響が相対的に強いことが示唆される結果となった。 (3)上記の検討を行うにあたって、これまで開発したダイオキシン類の簡便分析手法を大気試料に適用するための検討を行い、分析法の改良を行い、方法を確立した。 2 水田地域における水生生物-土壌間の環境動態の検討 (1)水田周辺の小水路を中心として魚類を採取し、これらのダイオキシン類分析を行った。 (2)その結果、水田周辺魚類では平均的にダイオキシン類濃度がやや高く、また、土壌の同族体分布に影響されていることが示唆された。 (3)上記の検討を行うため、水生生物試料の分析に対してこれまでの簡便分析手法を適用するための改良を行い、方法を確立した。 3 まとめと今後の課題 今後更に、水田地域の環境動態をより詳細に明らかにするため、より閉鎖系の水田地域を選定して詳細な調査を進める予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Suzuki,N.,Tosa,K.,Yasuda,M.,Sakurai,T.,Nakanishi,J.: "Analysis of Polychlorinated Dibenzo-p-Dioxins and Polychlorinated Dibenzofurans by the Acceralated Solvent Extraction(ASE) and HPLC Cleanup"Organohalogen Compounds. 40. 267-270 (1999)
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[Publications] Suzuki,N.,Tosa,K.,Yasuda,M.,Sakurai,T.,Nakanishi,J.: "Environmental Fate and Origin Estimation of Polychlorinated Dibenzo-p-Dioxins and Polychlorinated Dibenzofurans by the Dynamic Multimedia Environmental Fate Model"Organohalogen Compounds. 40. 267-270 (1999)