1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11680544
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山本 政儀 金沢大学, 理学部, 助教授 (10121295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
及川 真司 日本分析センター, 研究員
井上 睦夫 金沢大学, 理学部, 助手 (60283090)
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Keywords | プルトニウム / 環境放射能汚染 / プルトニウム同位体比 / 高分解能誘導結合プラズマ質量分析計 / 表面電離型質量分析計 / 核実験場 / セミパラチンスク |
Research Abstract |
原子力エネルギー利用の人体・環境影響評価上最も重要な放射性核種の一つに,物理的半減期が長く,しかも生物学的に危険なアルファー(α)線を放出するプルトニウム(Pu)がある。一般環境中には,1945年以来実施された大気圏核実験からのフォールアウト(Global fallout)として,^<238>Pu,^<239>Pu,^<240>Pu,^<241>Pu,のPu同位体がすでに広く分布・存在しているが,近年,それ以外の汚染源(原子炉事故,施設からの漏洩,放射性廃液の沿岸海洋投棄など)からのPuも増大しつつある。このため,Global fallout Puとの汚染源の識別に関する研究もゆるがせに出来ない研究課題となってきた。本研究では,Pu汚染源の識別に最も有効なPu同位体比,特に^<240>/Pu^<239>Pu比の精密測定法を確立しその実用化を図ることを目指して研究を進めている。今年度は,高分解能誘導結合プラズマ質量分析計(HR-JCP-MS)による測定値の信頼性,測定制度について検討し,併せて電離型質量分析計(TIMS)での測定の可能性を検討した。HR-JCP-MSについては,(1)測定溶液の^<238>U汚染を1ppb以下,(2)測定溶液の最低^<240>Pu濃度は0.1ppt程度,(3)測定時にm/z=238をモニターして^<238>U濃度を把握,(4)m/z=239,240のBG評価にはm/z=241を使用しることなどの新知見が得られ当初の目的を達成した。現在,この方法を旧ソ連核実験場セミパラチンスク周辺土壌に適用し良好な結果を得ている。TIMSについては,信号が出るようになったが,マス・フラクショネイションの点でまだ問題があり,信頼性ある結果を得るまでに至っていない。次年度に向けて全力を注ぐ体制である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Yamamoto, M.Hoshi et al.: "Pu isotopes and Cs-137 in the surrounding areas of the former Soviet Union's Semipalatinsk nuclear test Site."J. Radioanal. Nucl. Chem.. 242(1). 63-74 (1999)
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[Publications] J.Takada, M.Yamamoto et al.: "External doses of residents near Semipalatinsk nuclear test Site"J. Radiat. Res.. 40. 337-344 (1999)